充分な長さの棒と足場さえあれば、地球さえも動かして見せよう!
発売年 | 2011年 |
作者 | Donald X. Vaccarino |
プレイ人数 | 2-6人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
あのドミニオン作者によるマッドなゲーム
俺の発明した火山活性装置や害虫駆除光線であんなに喜んだくせに! 学会から俺を追い出すなんて、なんてわからない連中だ! よーし!この発明の力を悪いことに使ってやるっ!
というわけで2011年のエッセンで発表されたマッドな発明ゲーム『Nefarious』です。作者は、なんとドミニオンのVaccarinoです。アスコラゲームズというドマイナーなメーカーからひっそりと発売されました。ゲームでは、両隣のプレイヤーの動向を予測しながら、世間をあっと言わせる発明を次々に公開していきます。
個人ボードには、隠れ家ボードという名前がついており、裏びれた感じが伝わってきます。左側には、ラウンドの進行が、上には4つの投資マスが、下にはお金を置く地下金庫スペースがあります。
アクションカードでできるのは、投資、発明、調査、アルバイト。投資では、5つある自分の手下駒を投資マスの何れかに配置します。次のラウンドから、配置しているマスのアクションカードを両隣のプレイヤーが選択すれば、お金が貰えます。手下駒を投資マスに配置するには、少しだけお金がかかります。
発明では、手札から発明カードを1枚だし、発明にかかる資金を支払います。発明と同時に、自分や他のプレイヤーに影響する効果が発動します。発明内容は、目つぶしや透視眼鏡という馬鹿げたものから、津波発生装置などという恐ろしいものまであります。どれも、中々笑えます。
下部左に書かれている数字が勝利点。これの個人合計が20点を超えると、ゲーム終了となります。
投資マスに配置する駒は上記の写真のような感じ。一番左の投資マスに配置する時のみ、無料で配置できます。せむし男みたいな駒ですね。
最後に、ねじれカード。新聞少年が号外!号外!といいながら配っている裏面の中身は、ゲームのルールカード。毎ゲーム、これをランダムに2枚表向けてルールを決定します。例えば「毎ラウンド開始時にお金が貰える」とか「発明マスに配置した手下駒は倍になる」とか。
プレイ記
MAX1の6人でプレイ。
ドミニオン作ったヒトのゲームです。大事なので2度言います、ドミニオン作ったヒトのゲ―ムです。
今回のルール。
・ラウンドの最初に2金貰える。 ・効果が白紙の発明をした場合は、以前の自分の発明の効果を適用する。
お金が毎回増えるので、スピーディな展開が予測される。
COQの初手の手札。宇宙エスカレーターに、タイムマシンと胸躍る発明カードが揃うが、いかんせん金がない。研究はCOQの本職。負ける訳にはいかない。世界に復讐してやるっ!みたいな個人的恨みを抱えながらゲームに臨むとなおよろしい。
しかし、無い袖は振れないのでひっそりと部下を配置。周りを見渡すと、同じような行動を取るもの、安めの発明を発明するものなど半々くらい。一応、初期資金もあるので、カード運次第ではショボイ発明もできる。ちなみに、Nefariousも発明できる(必要資金は0金)。別に、Nefariousがショボイと言っている訳ではない。
手始めに、COQ博士の最初の発明にはナノロボットを。カードを2枚ひいて2枚捨てるという能力。
続けて、自分だけお金を貰い他人はお金を捨てさせるという「毒の花」を発明。
発明しようとお金貯めてたのに!
という、心が洗われるような悲鳴が上がる。
と同時に、流博士のラボで画期的発明「目つぶし光線」が発明される。なんと、自分も含め、全員がお金を捨てるという珍発明。しかも、以後なにやら発明を躊躇していると思ったら、白紙効果の発明カードしか発明できないらしい。自らの発明で旨いものを食べた味王のような人になってしまったようだ。珍発明を揶揄し合うのが案外楽しい。
順調に発明を重ね、透明化光線など4種類を世に送り出す。
博士!背中が透けています!
しかし、そんな冗談を言っているうちにFさんが18点でほぼリーチ。しかも、資金もそれなりにありそうだ。これはまずい。
しかたないので、白紙効果の発明を行い、お金を奪う効果を再発動させる。だが、ギリギリ20点に届く別カードも用意していた模様。ここでF博士が20点に到達したので、ゲームはこのラウンドで終了。しかしCOQのこの攻撃が所持金を奪い、所持金差で流博士の勝利。愛玩雪男やら、目つぶし光線やら、イグノーベル賞ものの発明ばかりをしていた流博士がなぜ勝利したのかは未だに不明。
プレイ時間:40分
総評
カードイラストの印象は良いが、内容的にはバカゲーの歴史がまた1ページというところ。いま思えば、アクションカードの選択など新しめな要素もあったが、まったく流行らなかった。
程よいジョークの効いた発明品に、それなりに頷ける効果が適用されている。カードを捨てさせられたり、お金を捨てさせられたり、狙い通りにいかないこともあるが、両隣のアクションからお金を稼ぎ、周りの動向を読んで発明をするというプロセス自体は結構面白い。荒唐無稽なゲームに見えて、ちゃんとバランスがとれているところが、流石のデザイナーというところ。
勝てる発明が出来るかどうかは所詮カード運なので、全部ひっくるめて笑えばいいと思います。Vaccarino的にはきっと黒歴史でしょう。