勝ちたいなら目を開け、口を開くな。
メーカー | 2F-Spiele |
発売年 | 2010年 |
作者 | Friedemann Friese |
プレイ人数 | 2人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
フリーゼの2人用マフィアカードゲーム
箱に描かれた恰幅の良い葉巻のオヤジがイメージさせる通り、マフィアがテーマのゲームです。外箱は葉巻のケースを模しており、フリーゼのゲームなのに緑色ではありません。ゲームの目的は「4つのファミリーから構成員をスカウトして自分のマフィアを強力にし、ゴッドファーザーとなること」です。Lars-Arne “Maura” Kalusky先生のイラストが誠に素晴らしい作品です。
ゲームエリアは、手札、ストリート、自分の組事務所の3つに分かれています。中央のカードの列がストリート、ここからワルを勧誘してくるのです。組事務所は自分のマフィアの構成員を待機させておくところで、最終得点計算ではここと手札の点数が集計されます。
とにかくワルしか登場しない
さて、ワル達です。上部の数字はランクで0〜4まであります。そして、下部中央の数字が影響力(勝利点)。上部の数字の色とマークが4つのファミリーのいずれに所属しているかを表します。手番では、ストリートから1枚ずつワルを獲得することが許されています。ランク0のザコは、無償で手札に入れることができます。
1〜4ランクのワル達を獲得するのには、手札からカードを出す事が必要です。獲得したいカードの1ランク下の”同ファミリーの”カードを2枚手札から場に出します。その後、獲得したいカードと1ランク下のカードのうち1枚の計2枚を手札に戻します。残りの1枚は自分の組事務所に待機させます。
こちらが4つのファミリーを表すカード。左から、仕切屋、名門、愚連隊、傭兵団となっています。それぞれのファミリーには特殊能力があります。
仕切屋:手札から組事務所へ公開することにより、そのランクと同じ枚数分だけ組事務所に待機している他のカードと手札を交換できる。 名門:影響点(勝利点)が高い。 愚連隊:手札から組事務所へ公開することにより、ストリートのワルを脅し、ランクを下げる事ができる。 傭兵団:ワルを獲得する際、自分よりランクが下の他のファミリーのカードとして使用できる。
ゴットファーザーに、俺はなる
手番では:
の順にアクションを行っていきます。交互に手番を繰り返し、山札が2巡したらゲーム終了の合図。手札と組事務所の影響力(勝利点)を合計し、多いプレイヤーがゴットファーザーとなります。
説明を読んでもイマイチ分かりにくいと思いますので、プレイ記を読んで雰囲気をつかんでいただければと思います。
プレイ記
自宅にて、のっちと2人プレイ。
早速ゲームスタート。初期の手札は各ファミリーの「0」を1枚ずつの計4枚。…ということは、ストリートから獲得できるのは無償で手に入るランク0のザコカードのみ。
もしもストリートにランク0のカードが1枚も無い場合は、ストリートに並ぶ任意のカードを捨て札にしてそのランク分のカードを山札からめくる。というわけで、ランク0の愚連隊をゲットする。武闘派のマフィアを目指すぜ!
のっちは、ストリートにランク0のザコがいないのを見て、ストリートのランク4の名門を捨て札にしてワルを補充する。早速、外箱に描かれた名門ファミリーのドンがいなくなる展開だ。
次の手番、COQは先ほど獲得した愚連隊のザコを2人公開して、ストリートの若頭級の愚連隊を雇い入れる。
すると、愚連隊のザコ1枚が組事務所に待機し、残りの2枚が手札に入ってくるというわけだ。こうしてワルを獲得しても、1枚が組事務所へ待機してしまうため、手札の枚数は特殊能力無しには増えない。
特殊能力を使用したカードも組事務所へ待機してしまうので中々悩ましい。ある程度0ランクのカードを獲得し、手札を増やして仕切屋をうまく使い、手札にワルを呼び戻さなくては。
先ほど獲得した愚連隊を組事務所に待機させ、ストリートの若年中尾彬(青の1)を脅してランクを0とし、無償で獲得する。次の手番では早速、獲得したばかりの中尾を組事務所に待機させ、愚連隊を手札に回収。手に入れた愚連隊でランク1のワルを脅して獲得…を繰り返す。
カードに書かれたワル達のイラストは1枚1枚ユニークなものとなっており、それぞれにあだ名を付けたりしているだけでも楽しくなってくる。むしろこれが本来の楽しみ方だと思われる。
徐々にワル達のランクも上がってゲームは中盤へ。ゲームが終盤へ向かうほどにストリートに並んだランク0のカードが少なくなっていく。したがって、次第に手札の枚数を維持するのが難しくなってくる。無償で取れるカードが無ければ、愚連隊を使用した回数だけ手札が減っていくというわけだ。
愚連隊は便利だが、諸刃の剣である。
対するのっち陣営、愚連隊は程々に、ランク2の仕切屋を2枚使用して効率的に構成員を揃えている。ランク2以上の仕切屋が2枚あれば、お互いに回収し合うことができるようになるので手札の質を保てる。流木のっちのくせに、巧い。
自分の間違いに気付き、ランク2の仕切屋を手に入れるCOQ。もう一枚も!と愚連隊を用意して待つが、中々ストリートに現れない。その間、のっちは勝利点の高い名門ファミリーのワルを構成員としていきCOQを引き離しにかかる。
終盤、獲得の条件が揃わない仕切屋をあきらめて、チョイ悪糸井重里を獲得したところでゲーム終了。
手札と組事務所の合計点を競う。
COQは41点
対するのっちは51点。バラ刺し麻生太郎が勝敗の分かれ目となったのだった。
プレイ時間30分
総評
Bronze
フリーゼ作品では、確かこれが2作品目の購入。単純なルールのカードゲームではあるのですが、戦略も相手によって変えなければならず、展開の多様性がそこそこあります。箱のデザインや、ユニークなカードイラストなどから、このゲームに対する愛を感じる事の出来る作品で、繰り返し遊べる良作だと思います。
2人用って、ルールも複雑すぎず、繰り返し遊べる良ゲームが多いですね。
どうでも良い話ですが、この頃作者の名前のカタカナ表記が話題となっていました。Friedemann Frieseを「フリー”ド”マン・フリーゼ」と表記するか、「フリー”デ”マン・フリーゼ」と表記するかというお話です。外国語のカタカナ表記に正解は無いと思うので、どちらでもかまわないと思うのですが、検索の都合上、表記が統一されているほうが都合が良いというのには一理あります。