奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙奇妙ッ
メーカー | What’s your game? |
発売年 | 2012年 |
作者 | Carlo Lavezzi |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
奇妙過ぎる村のゲーム
「ヴィニョス」というワインゲームを世に出したことでも有名なイタリアのWhat’s your game?社のカードゲーム。不思議とポルトガル人デザイナーが暗躍する同社ですが、本作のデザイナーは生粋のイタリア伊達男です。このゲームの原題は『オド・ヴィル(奇妙な・村)』という名前です。
このゲームは、「リソースを管理して奇妙な村に建てた建物から得点する」ゲーム。最初に置かれている基本の村カードからイラストが繋がる様にカードを置いていき、誰かが6つ目の駒を置いたら、ゲームは終了します。ゲームの勝者は駒を6個置ききったプレイヤーではなく、カードなどからの得点を最も獲得したプレイヤーとなります。カードには個有の得点以外に「上下左右の得点を足した得点」等を与えるものがあるので、置くカードの種類と場所が重要となります。
オド・マニュアル:奇妙な・ルールブック… この出版社のルールブックは、致命的に奇妙で、ものすごくわかりにくい事で有名です。残念ながら本作も例外ではなく、色々なところで不明瞭な点が見受けられます。さらに、日本語翻訳の段階でその奇妙さは増してしまったようで、解読には通常よりも長い時間がかかると思います。奇妙過ぎ。
手番ですることは、出来るだけシンプルにまとめてある
手番で出来る事は、「資金の獲得」、「リソースの獲得」、そして「建物カードの獲得」の3種類。これらのアクションを行うには、ゲーム開始時に配られる手札のうち1枚をプレイしてどのアクションを行うかを宣言します。どのカードも全てのアクションを選択することが可能ですが、アクションの強さが異なります。例えば、一番弱いカードは木材しか手に入れることができませんが、一番強いカードは木材も含めて全てのリソースの中から1つを選択することが可能です。
これらの手札は、4つ全てを使い切ると手札に戻ってきます。それ以前に手札に戻すためには、お金が必要です。アクションの選択を容易にしつつ、制限を生む良い方式だと思います。
オド・トランスレート:奇妙な・和訳… 手札を戻す事を原文では”Recover”という単語で表していますが、添付の和訳ルールではこれをそのまま”回復”としています。手札の回収を行う作業と”回復”という単語が私の脳内では繋がっておらず、混乱したのを覚えています。直訳奇妙過ぎ。
リソースの管理はボードで
ゲームに登場する4種類のリソースは、個人ゲームボードで管理します。置いてある駒1つにつき、そのリソースを1つ保有しているということです。リソースの獲得には資金が必要で、早く駒を置く程低額となります。駒の先行配置が他人の邪魔にもなり、我慢比べにも繋がる良いアイデアだと思います。
オド・ピクチャー:奇妙な・絵… どうもこの出版社のイラストはカラフル過ぎて苦手です。CG丸だしのリソースシンボルも好きになれませんね。好みの問題だと思いますが、奇妙過ぎ。
建物カードの購入はディスプレイから
建物カードは、山札から6枚が表向けられています。ここからカードを購入するわけですが、前述のアクション選択用の手札に記されている通りの資金が必要となります。写真のアクション選択カードでは、山札に近い3枚は有料、遠い3枚は無料となっています。
建物カードには、建物と路地の他に紋章と得点が描かれています。得点には色々な種類があり、単純に数字が書かれているものや、他の紋章の数による得点など、多彩です。建物カードはゲーム内で使用するお金も兼ねており、資金の獲得のアクションを選択した場合には、山札から裏向きのままカードを獲得します
オド・ピクチャー2:奇妙な・絵2… 村の建物が書かれたカードも例外無くカラフル。色にはレベルというか、別の色でも同時に存在できるグループのようなものがあると思うのですが、この会社のイラストはそんなのおかまい無し。色彩奇妙過ぎ。
紋章が左右する、奇妙な貴族のカード
建物カードに描かれた紋章には、得点計算に利用される以外に大きな意味があります。4種有る紋章にはそれぞれ3人の貴族カードが用意されており、そのうち2枚ずつがゲームに登場するのです。
これらの貴族のカードは、その紋章が描かれている建物を建設すると1枚獲得することができます。それ自体が勝利点をもたらすだけでなく、アクションを強化するなど強烈な効果をもっており、これを1手番に1度使用できるようになります。少し強過ぎるくらいの能力を発動するカードですが、ストックが空になっている状態(2枚とも何れかのプレイヤーの手元に有る状態)で獲得の条件が満たされると、回収されてリセットされるのでご安心を。
こうして、ゲーム終了時に建物や貴族のカードの合計得点が最も高いプレイヤーが勝者となるゲームです。考えどころがあるわりに比較的コンパクトにまとまっていますね。
オド・ノーブル:奇妙な・貴族… 貴族カードの能力自体のわかりにくさも去ることながら、カードを貰うという建設の追加効果自体がわかりにくくてついつい忘れてしまいがち。ご多分に漏れず、このカードもカラフル。奇妙過ぎ。
プレイ記
TBGL会にて3人プレイ。
案の定、貴族カードの存在を度々忘れる。そして不明瞭なルールが3人を蝕む。
紋章の数で得点を延ばす建物を建設したCOQが多くの得点を獲得して勝利。
プレイ時間:50分(3人)
総評
ところどころで「良いアイデアだ」と言いながらも、個人的にはあまりヒットしませんでした。ただ、「良いアイデア」と評している通り、悪いゲームではないと思うので、好きな人も居ると思います(実際、根本のシステムの評価は結構高いです)。短時間で思考性の高いゲームが遊べますしね。手札のコントロール方法では、この後歴史に登場する「コンコルディア」に近いものもありますし。
どこが厭かと言うと、イラストと特殊能力、そしてルールの不明瞭さです。色も特殊能力もバランスが悪いと感じました。特殊能力がいちいちリセットされるというのも煩わしかったです。
ルールの不明瞭さは、この出版社のお家芸ですが、ゲーム開始前に良く確認をしておくことをオススメします。例えば、あるカードで可能なスタート地点に駒を置くことができるという能力。その駒はゲーム終了を左右する6個の駒に含まれるのか?等。
シュールなのは、ボードゲームギークのコメントに「これが2015年の誕生日プレゼントだった」とだけ記している人がいることです。しかし、これはあくまで個人的で奇妙な意見です!