お前の次のセリフは「みんなで協力して、一緒にゴールしようね」という!
発売年 | 2016年 |
作者 | Friedemann Friese |
プレイ人数 | 3-8人用 |
対象年齢 | 7歳以上 |
ゲーム概要
6人以上集まったらフッチカートだ!
輝く緑の小箱、Friedemann Friese作の『フッチカート』です。8人まで遊べるゴーアウト系(手札を早く出し切る)のカードゲームで、筆者は大人数が集まるゲーム会ではポケットに忍ばせていることが多いものの、案外未プレイの方が多いのでここで紹介しておこうというわけです。ゲームの性質上、大人数(6人以上)いた方が面白いので場面を選びますが、逆に6人以上で遊べるならまず外さない鉄板カードゲームです。数字が描かれたカードのみを使用する単純なルールでなお、このような傑作を生み出すデザイナーの力量に感服します。
カードを1枚出すだけのゴーアウト
使用するカードは2〜20の数字が描かれた90枚のカードの束。16〜20の数字は各1枚しか入っておらず、逆に低い数字ほど沢山入っており、2は16枚もあります。これを各自が6枚手札として持ち、先に手札を出し切ったら勝ちという単純なゲーム。しかも手番では自分の前に任意のカードを手札から1枚出すだけです。
時計回りに一周し、次に自分の手番がまわってきた時に自分の出したカードが生き残っていれば、そのカードを捨て札にして次のカードを出すことができます。ただし、一周する間に自分の数字よりも大きな数字を出されてしまうと、自分のカードを捨て札にして山札からカードを1枚引かなければなりません。すなわち、これでは手札が減りません。
弱者は協力できる!
そうすると、単純に大きな数字のカードを手札として持っているプレイヤーが強いだけに思えます。しかし、実は同じ数字が出されると、その値が足し算されて強くなるのです。つまり、2を出したプレイヤーが3人いれば、数字は合計で6となり、5を出されても大丈夫になるのです。しかも、同じ数字を出して結託している場合、最初にその数字が捨て札になるときにその数字を出しているプレイヤー全員が一斉にカードを捨てることができるので、結託しない手はありません。乙女の友情のように「2をプレイして一緒にゴールしようね」が頻発するわけです。ただし、そうして結託した数字も、より高値のカードに根こそぎやられたりしてドラマは尽きません。
こうして手札を減らしていき、最初に手札がなくし、手番を迎えたプレイヤーが勝利します。
総評
Silver
必携の多人数用フィラー
手番ですることは単純で、他人の手番も全員が固唾を呑んで見つめる、そして大いに盛り上がるドラマが何度も発生しますね。突き詰めると良いカードを引くかどうか次第なのですが、とても楽しいゲームです。ゲーム会のフィラーとして大活躍します。「一緒にゴールしようね」とか言いながら自分だけ先にゴールしたり「全然勉強してないよ」と言いながら高得点を取ったりする途中まで半協力体制で最後に抜け駆けする感覚も楽しいです。
弱い数字の協力体制の効果が期待できる人数が揃わないと、このゲームの楽しさが発揮されないので6人以上で遊ぶことを推奨しますが、持っておいて間違いのないカードゲームです。
本来は最後の1枚をプレイした後に、そのカードが生き残って捨て札になった時に勝者が決まるのですが、間伸びした展開となる場合があるので、最後の1枚をプレイしたら勝ちというルールで遊んでも良いと思います。ちなみに、カードはアミーゴサイズですが、スリーブに入れてもカドマルでスリーブの角を落とせば綺麗に箱に収まります。