チップチップフラー

カタンの作者はかくも才能に満ち溢れていた

メーカーKARNAN
発売年2001年
作者Klaus Teuber
プレイ人数2-4人用
対象年齢6歳以上

ゲーム概要

チップを飛ばすアクションパートとチップに詰め寄る論理パート、それをつなぐのは稀代のバカゲーダイスセンス

KOSMOS社を、弱小メーカーから一気にドイツを代表するおもちゃメーカーへと発展させたゲームがあります。そのあまりにも有名なドイツゲーム「カタンの開拓者」を誕生させたデザイナー、クラウス・トイバー

以後、彼はKOSMOSの囚われの身になったかのごとく、同シリーズのデザインを垂れ流していく運命にあるわけですが、「レーベンヘルツ」など、実はカタン以外にもかなりの名作を世に送り出しています。

このゲームの手番は、前半のアクションパートと、後半の論理パートに別れています。箱の上に将棋盤のようなボードを乗せ、その上に自分の色のロボット駒を2つのせたらゲームスタート。ボードのマスに狙いをすまし、博士の形をしたカタパルトにフロッピーディスクのようなチップをのせて盤上にはじき上げます。盤上のマスにチップがのれば成功です。チャレンジは3回まで。

博士の土台を使ってチップを飛ばす。本当は片手で操作せねばならない。

その後、各自が1体ずつのロボットを、盤上を滑らせるように1方向に動かします。こうして、盤上にのったチップに自分のロボットを隣接させるのです。どうして盤上を滑らせるかといえば、ロボットの中にはエナジーダイスが入っているから。このダイス目はロボットのエネルギーを示すのですが、マス目の区切りが少し盛り上がった造りになっており、移動するごとに出目が変わっていくのです!

なんてバカバカしくて素敵なことを考えるんだろう。こんなダイスの使い方をしているゲームは後にも先にも見た事が無い。

盤面の凸凹のおかげで移動するとダイス目が変化していく。
うまく動かせば、ある程度出目の操作も可能だが・・・。

俺のエナジーを感じろっ!

チップが着地したら、各自1回ずつロボットを飛車のように1方向に滑らせ、チップの隣のマスへ集めます。この時は、なるべく相手の邪魔となるように、自分だけが辿り着けるように動かすのがコツ。ちょっとした詰め将棋的な動きです。たった1手だけれども。動かす手番はチップを打ち上げたプレイヤーからなので、自分の狙ったところにチップを落とせれば、其処に辿り着くのを自分だけにできるかもしれません。まぁ無理ですけれども。

チップに隣り合ったロボットは、「せーの!」で一斉に持ち上げ、中のエナジー(出目)を比べます。出目の大きい方のロボットが、そのチップを獲得できるわけです。もしも、同点の場合は、お互いにロボットを適当に滑らし、もう一度オープンして決戦。これがまた熱い。

同点の後、少し動かしてからの出目での勝負は思いのほか盛り上がります。思いっきりの気合いを発しながら開けた瞬間の「1」とかね。ダイスの向きと動かすマス数をカウントしていればある程度は出目の操作が可能ですが、凸凹のイタズラで思惑と外れた瞬間が面白いです。

「今の貴様では、この俺に指一本触れる事もできんッ!」とか叫びながら開けて負けるの図。

ロボットはチップを4枚獲得すると1人前。早く人間になりたい!

このゲームの本当のストーリーは、チップ4枚を手に入れて1人前になったロボットは、博士のお手伝いロボットになれるというお話です。従って、ゲーム中4枚のチップを背中のスロットに差し込むことができたロボットは、盤面から取りのぞかれ”あがり”となります。こうして、2体のロボット両方を”あがり”にできれば勝ちです。

実はこの「4枚のチップを獲得したら盤面から取りのぞかれ、2体のロボットを取りのぞければ勝ち」というのは、単純なようでいてドイツゲームっぽいのです。独走は難しいようになっています。盤面に投げ入れらたチップを獲得するには、自分のロボットを隣接させなければいけないわけで、これが1体になると結構難しい。そうこうしているうちに他の2体動かせるプレイヤーが追いついてくる。

盤面から4枚のチップをさしたロボットがいなくなる様は飛び立つように見えてシュール。

絶妙の汚し、完璧な造形

最後に、コンポーネント中身のお時間。
ロボットが計8体、博士のカタパルトが1つ入っています。これらはプラスティック製でとてもポップな見た目です。特筆すべきは、その汚し処理。ロボットにも博士にも、絶妙な汚しが入っており、ゲームに雰囲気を与えます。箱を開けた時に、コンポーネントの話題でしばし歓談できる出来です。

盤面となるボードには、ポリカーボネート製と思われる覆いで凸凹したマス目が刻まれています。強度はバッチリなので、心配はいりません。力一杯、ロボットを移動させれば、エナジーを披露するとき一片の悔いもないことでしょう。

大きな箱も盤面の一部となるので無駄ではありません。

プレイ記

随分前に、MICC会にて。

簡単なようでいて、チップは中々うまく飛んでいかない。実は、チップをさした状態のロボットが居る状態で失敗すると、チップを失うというペナルティがある。その重圧が邪魔をして、失敗は大概ショートして手前に落ちていく。人間とは、プレッシャーに弱い動物である。その度に、近所迷惑な程大笑いしてしまった。

ゲームは、まっちゃんといたるさんが1体ずつロボットを飛び立たせて中盤へ。ここから立て続けにCOQのロボットにチップがささっていき、なぜか勝利したことだけが当時のノートからわかった。記憶には、とにかく笑った事しか残っていない。

プレイ時間:40分

総評

Bronze

大トイバーは、かくも才能に満ちあふれていたか。

驚くべき愉快なセンス。カタンやレーベンヘルツが名作なのは周知だけれども、こんなに愉快なゲームをデザインできる人物だったとは思っていなかった。

この才能の全てをカタンの亜流に注がせるのは、人類の損失ではないかとさえ思ってしまう。BGGの評点は5点台ですが、大好き。遊ばせてもらった後すぐに購入した。

古き良き愛すべきバカゲー。

誰か、囚われの身のトイバーの背中にチップを4枚さしてあげて下さい。

購入先情報

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