発売年 | 2008年 |
作者 | Dominique Ehrhard |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
博物館で売るべきな恐竜ゲーム!
ここのところ発表されるゲームがことごとく刺さらないので旧作を紹介。『恐竜発見!』はAmigo社から発売されていた恐竜の化石を発掘するゲームで、それぞれ2〜4ピースで構成される5種類の恐竜の化石を発掘現場から取得して揃えるセットコレクションのゲームである。筆者は子供が生まれたらいつか遊ぼうという気持ちで数ユーロで叩き売られていた本作をドイツから10年以上前に輸入して箪笥の肥やしにしていた。そして時代は流れ、我が家のボーイもめでたく恐竜好きに成長したことから、文字通り発掘して遊んでみたというわけである。遊んでみると、これがなかなかよくできている。作者のDominique Ehrhardは、絨毯で有名な「マラケシュ」や「セレニッシマ」などで著名なデザイナーで、きちんと作られたゲームなのでありました。
教授と助手と犬
ゲームボードは巨大な発掘現場となっており、いくつかの区域に区切られている。各ラウンドの開始時にダイスを2つ振り、対応する色の発掘場所にタイルを裏向きでランダムに配置する。各自はこの区域で3種類(教授、助手、犬)の駒を移動させ、化石のピースとなっているタイルを集めていく。1〜3の移動力が書かれたカード4枚のうち1枚をプレイし、3種類の駒に振り分けて移動を行う。駒にはそれぞれ能力があり、区画タイルを表向けられるのは教授のみである。教授は移動を終えた区画のタイルを全て表向けることができる。
タイルを表向けるだけでは獲得はできない。タイルを獲得するには、手番で移動することを放棄しなければならない。もしくは、4枚の手札を使い切っていたなら自動的に発掘が始まる。この時、教授と助手は今いる場所の表向きのタイルを1枚ずつ選択して取ることができる。犬は、誰かの人間の駒がいる場所にいれば、タイルを1枚取ることができる。
手番で取ることができるのは、各駒1枚のみである。したがって、できるだけ早く移動を終え、他者が発掘を開始する前に発掘を始めて独り占めしたい。しかし、中々目的のタイルのところに自分の駒を派遣するのは難しく、常に妥協と隣り合わせになる。そして、他人の犬の存在が案外イヤらしい。犬とは別のところで発掘を開始したいが、そこまで移動力を割り振る余裕がない!
化石が揃ったら発表だ!
キッズに人気の5種類の恐竜のいずれかのピースが揃ったら、すぐさま発表して得点チップをもらう。ピースの数によって得点は変わる。その恐竜の発表が初めてなら、追加のボーナスチップももらえる。こうして化石を発掘していき、化石タイルを補充できなくなったら、そのラウンドで終了。勝敗は案外、ボーナスチップが分ける。
当時はドイツの博物館とタイアップしていた
箱の中には、ゲーム用具と説明書だけでなく、ドイツ現地の博物館のパンフレットが同梱されている。おそらく、当時、ドイツの恐竜を展示している博物館とタイアップしていたものと思われる。これはぜひ、東京や福井の日本でも恐竜の展示で有名な博物館で復活させてもらいたいところである。
総評
Bronze
値段と箱絵から、子供騙しのゲームだと舐めていたのですが、いい意味で裏切られました。きちんとジレンマの感じられるゲームになっていて、単純なセットコレクションのゲームとしてとても良くできています。セットコレクションと恐竜の化石のテーマの相性は抜群です。妙にディフォルメもされておらず、実写的な化石のイラストも良いですね。たまにこのようなスマッシュヒット作があるので本当にドイツゲームは侮れません。
うちでは6歳の頃から普通に遊べました。キッズと遊ぶ分には2人でも問題ないです。
ゲーム概要の部分にも記載しましたが、これは是非日本の博物館でリプリントして広くキッズに遊ばせてあげてほしいです。孫を可愛がっている祖父母のお財布も緩むでしょう。絶版なのがとても惜しい。その気になった博物館があれば、ルールの和訳は提供しますよ!