倉庫番などをしながら独学で学問に励みます
メーカー | Blue Orange |
発売年 | 2008年 |
作者 | I Althöfer, H Drude, R Wittig |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
10分で終わる手軽なアブストラクト
ブルーノ・カタラの姿がチラチラ見えるフランスのメーカーの小箱シリーズの1つです。2012年には「置き屋」「ボタンアップ」そして、「Omba」という同人ゲームのリメイクである本作『ドッカー』の3作品をリリースしました。リメイクによって、波止場の倉庫というテーマが付与され、ゲームの内容が頭に入りやすくなりました。この狭い倉庫の中で、荷物を動かし続けた人が勝利するゲームです。
立体倉庫番:荷物をスタックして選択肢を奪う
ゲームボードを波止場の倉庫に見立て、自分のコンテナを投入し、収納していきます。手番では、どれか1つのコンテナを振ったダイス目と同じマス数だけ動かさなくてはなりません。一見、コンテナを全て収納すると勝利できるゲームのように見えますが、実は逆です。コンテナの上にコンテナを重ねられると、そのコンテナは動かせなくなってしまいます。コンテナが動かせない場合は、新たなコンテナを投入しなくてはなりません。そして、最後までコンテナを動かせたプレイヤーが勝者となります。
リフトは心の中に
このゲームの面白いところは、ボード上のZ軸、すなわち上の方向にマス目があるものだとプレイヤー達の頭の中で想像しながら遊ぶところです。手番が来たらダイスを振り、その目の数だけ自分のコンテナを動かします。この時、他のコンテナの上にコンテナをのせるため、もしくはそのコンテナを超えて動かすため、空中に移動するのも1マスと考えます。平らなボードですが、かなり立体的なプレイが楽しめます。
コンテナが動ける状態でも、ダイス目をぴったり使えるように動かすことができなければ、ゲームから脱落です。脱落したプレイヤーのコンテナはボード上に存在し続けるので、加速度的にゲームが収束していきます。出来る限り手持ちのコンテナは投入せず、他人のコンテナの上にうまくのるのが勝利への道ということですね。
総評
見た目通り、アブストラクトです。ダイス目の寄与するところが大きいのでライトに楽しめます。
脱落型のゲームなので筆者の好みではありません。でも、これは1人が脱落するとあっという間に勝負がつくので待ち時間もほとんどなく(というか、ゲーム自体が10分程度)、ルールも簡単なので受け入れられ易いのではないかと思います。脱落型のゲームなら待たせない仕様にするというのは鉄則です。
Z軸への展開をプレイヤーの脳内にゆだねる事によって、小箱の割に広がりを感じるデザインには感心しました。テーマが倉庫に変更されたことも、この広がりに寄与していると思います。
購入先情報
絶版です。