Heul doch leise!(泣けよ、小さな声でな!)
メーカー | Ravensburger |
発売年 | 2019年 |
作者 | Leo Colovini |
プレイ人数 | 3-6人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
辛くて泣いちゃうカードゲーム
2019年発表のLeo Coloviniのカードゲーム『ホイルドッホ』です。タイトルを日本語訳するとすれば「泣いていいよ」的な意味で、目に入ると涙が止まらない玉ねぎのキャラクターがモチーフになっています。副題の「MAU MAU」は、おそらくトランプで遊ぶUNOのようなカードゲームであることを示しているのだと思われます。タイトルが示す通り、苦しくて泣いちゃうカードゲームということで、コンポーネント(内容物)には涙を拭くためのナプキンが1枚同梱されているところがシャレが効いていて老舗のラベンスらしいです。
有名なあのゲームみたいに
タイトルに「MAU MAU」が入っていることからも分かる通り、このゲームのルールの根幹はUNOです。説明書にも、堂々と「あの有名なカードゲームのルールにしたがってカードを出します」と記載されています。ただし、ゲームの目的はゴーアウト(手札を出し切る)ではなく、最終的に自分の前に出せたカードの数字の合計です。
手札(7色の1〜7各2枚)を4枚持ち、手番ではそのうちの1枚を自分の山か、左右どちらかのプレイヤーの山に出さなくてはなりません。UNOなので、色か数字が合うカードを出すことができますが、左右どちらかのプレイヤーの山にも出せるカードは自分の前に出すことはできず、他人の山にプレゼントしなくてはなりません。カードを出せない、もしくは、出したくない場合には、カードを裏向きにして自分の山に出すことになります。裏向きに出されたカードはジョーカー扱いとなり、次の手番ではすべてのカードを出すことができますが、ゲーム終了時に裏向きのカードの枚数に応じて減点されてしまいます。
ゲーム終了時、裏向きのカードの枚数と同じ数字が0点になってしまいます。つまり、裏向きのカードが7枚あれば、7のカードが全て0点に、9枚あった場合は7と2のカードが0点になるわけです。何枚のカードが裏向きで置かれているのか、記憶しておけば少し戦略的にカードが出せます。
隣に出すくらいなら!と自分の前に裏向きに出したりしていると、裏向きのカードが嵩んでいき、そうこうするうちにどこにも出せない手札になってさらに裏向きのカードが増えて涙目というゲームです。すべてのカードを出し切ったのちに、自分の前に出したカードの数字の合計から減点を差し引き、最も得点を獲得していたプレイヤーが勝利します。
程よく味変の特殊カード4種
上級ルールとして、特殊カードが4種類同梱されています。手番順を変更したり、全員の山の一番上のカードのうち最高値のカードが捨て札になったり、全員が自分の山の一番上のカードをひっくり返す効力などがあります。自分の前に裏向きで高得点のカードを出した後に全員がカードをひっくり返すカードを出して得点化したり、その直後に最高値のカードを捨て札にさせられたり、と展開が面白くなるので最初から入れることをお勧めします。
総評
Bronze
良いです。UNO亜種の中ではかなり出来の良いゲームだと思います。プレイ感はとても軽く、運の要素とハンドマネジメントの妙も程よく効きながら、作者が意図する「カードを出したくないけど出さなければならない」という苦しさも(終始明るい雰囲気で)ゲーム中何度も味わえます。ゲーム自体も20分程度で遊べるのに加えて、UNOという誰もが知っているルールをベースにしていることからゲームの説明も短縮でき、ゲーム会のフィラー(間を埋める軽ゲー)としても優秀です。点数計算が若干面倒臭いですが、良作と言えるでしょう。
左右のプレイヤーが必要なことから、3人以上必須ですが、6人まで遊べるので大人数でのゲーム会でも重宝します。裏向きのカードが嵩むことで苦しさが増すことから、3人プレイが最も機能しそうですが、4人と6人でも遊んでみたところ十分面白かったです。人数が増えると軽ゲー度が増します。
令和の時代に単純なルールで楽しいカードゲームがまだ発表される余地があることが嬉しいですね。コロビーニ!