”エッグ”セレントなメモリーゲーム!
メーカー | Zoch |
発売年 | 1997年 |
作者 | Klaus Zoch |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 4歳以上 |
ゲーム概要
ロングセラーのメモリーゲーム
ツォッホ社の「にわとりのしっぽ」です。木製のにわとり駒がかわいい、もはや定番品となっているメモリーゲームです。メモリーゲームといえばキッズゲームの定番ジャンルですが、このゲームは大人同士でも白熱します。子供と大人も一緒に楽しめる傑作です。
ゲームでは、にわとり小屋の運動会で他のにわとりを追い越し、羽をすべて奪えば勝ちとなります。ルールは超簡単。
まずはタマゴ型のタイルを円状に並べます。にわとり達はこのタイルの上を時計回りに移動していき、他のにわとりを追い越すとそのにわとりが持っているしっぽをすべて奪うことができます。
脳が若いほど疾走するにわとり
タマゴ型のタイルにはタマゴに関連する絵が書いてあります(1つの絵柄につき2枚、計24枚)。この絵は、円の中央に裏向けられている8角形のタイルの絵柄と対応しています。
今いる場所の1つ先のタイルの絵柄をめくることが出来れば、自分のにわとりを1つ進めることができます。成功する限り、何マスでも進めます。失敗すると手番終了です。
このルールの素晴らしいところは、安易に神経衰弱にしなかったところです。神経衰弱とすると2枚の場所を覚えていないとならないので難易度が跳ね上がり過ぎますし、連続移動の爽快感は1枚めくるルールでこそ感じられるものと思います。
相手に追いついたら、相手を追い越すことにチャレンジできます。相手の1つ先のマスの絵柄のタイルをめくることが出来れば、相手を追い越しつつ相手のしっぽをすべて奪うことができます。相手を追い越した場合でも手番は連続するので、そのまま当て続けて抜き去っていけます。奪ったしっぽは自分のにわとりに4か所ある穴にさしておきます。また、相手のにわとりが連続していた場合には、一気に追い越してすべてを奪うことが可能です。
こうして、最初にすべてのしっぽを奪ったプレイヤーが勝利します。日本語ルールを公開していますので、詳しくはそちらからどうぞ。
ビデオ通話で遊ぶ方法
ツォッホ社もCOVID-19の影響で外出できない現在の状況への温かい対応をしてくれています。ツォッホ社のホームページでは、ビデオ通話で「にわとりのしっぽ」を遊ぶための8角形タイルの座標シート(誰かがスマホで撮影して座標通りにめくってあげればみんなが同じ配置で遊べます)を公開してくれています。また、タイルをスマホで撮影するためのDIYの仕方についてもPDFで公開してくれています。
プレイ記
自宅にて、AMI、シュウ(5歳)と3人プレイ。
実は、シュウが2歳、3歳の時にそれぞれ遊んでみている。2歳=駒で遊んでしまう&最後まで遊べない、3歳=何とか遊べるようになったが負けると泣くという感じだった。今回、5歳になって遊んでみると完璧にルール通りに遊ぶことができ、大人を凌駕する記憶力を発揮していた。ほぼ推奨通りの年齢で遊べるようになるようだ。
このゲームはシュウが生まれたばかりの頃、ジョーコデルモンドのあきおさんに遊ばせてもらったのが最初。面白かったので、いつか自宅でも遊べる日が来るだろうと購入しておいたが、遂にその日がきて嬉しい。
2歳児はルール説明で満足したので、3人でガチプレイ。シュウがスタートプレイヤーとなるが、最初は誰から始めても当てずっぽうでタイルをめくるだけなのであまり関係ない。大体裏向きタイルの中身がわかってきたくらいが勝負。するとシュウが連続でタイルをめくって移動を開始する。さすがに脳が若いのか、ぐんぐん進めることに本人もご満悦だ。
一方、AMIは「羽」のタイルがめくれずにまったく移動できない。
これ、「羽」入っていないんじゃないの?
入ってるよ、頑張って!
AMI連続して失敗。その間にシュウがすごい勢いで背後に迫ってくる。
「羽」入ってないんじゃないの?箱の中見てよ。
入ってるってば、頑張って!
AMIまたも失敗。そこは「目玉焼き」だと言っているそばから、そのタイルをめくり目玉焼きを拝んで憤死するAMI。苦手な人は苦手なゲームなのだろう。その後「羽」の場所が判明しCOQの無実が証明されたが(なんやねん!)時既に遅し、遂にシュウに追いつかれる。こうなると、お互いに同じ絵柄を探してのめくり勝負となり、熱い。
見事AMIのしっぽを奪ったシュウがCOQの後を追いかけてくる。COQは一度だけ間違えたフリをしてシュウの前に立ち塞がるタイルのありかを教えてあげたが、その手番ではCOQを抜き去ることまではできなかった。このゲームの良いところは、子供に対する手加減が自然とできることである。ダイレクトに「このタイルが○○だよ」と教えるのではなく、参考になるタイルを大人の手番で表向けて中身を覚えさせたりできる。子供も手加減されたことに気付かないので、白熱して遊ぶことができる。
結果、チャンスを逃したシュウを、ほぼ1周駆け抜けたCOQのにわとりが一気に全員を抜き去り劇的勝利。父の壁は高いのであった。
プレイ時間:20分
最後ぼく惜しかったでしょ?またやりたい!
私みたいな人がいるから盛り上がるんだよね!
総評
Gold
面白い。既に定番となっているゲームだけれど、今後もそれは変わらないでしょう。神経衰弱に似ているけれど、それを得点表ではなくて、追いかけっこに落とし込んだところがとても良い。そして、神経衰弱に似ているようでいて似ていないシステム(2枚のペアめくりではなく、ペアの片方はコース上で既に表向けられているので1枚めくり)のおかげでとても疾走感があります。にわとりの駒の出来がすごく良いことも手伝って、かなり白熱した”にわとりの”レースになります。奪い合うしっぽも実際に駒から抜き去ったり刺したりできるので気持ち良いです。さらに、抜き去る際には同じタイルのめくり合いになるのが、抜いた/抜かれた時のヤッタ/ヤラレタ感をさらに倍増させるポイントです。
このゲームはただの神経衰弱よりも加速度があり、ゲームが終盤に差し掛かると誰でも幾つかのタイルは覚えられるので進めるスピードが増していきます。序盤は何度も間違えても大丈夫ですが、終盤は1度の間違いが致命傷になりかねないスピード感となります。ゲームの収束性が非常に高く、ダレずに終わるのも評価が高いポイントです。1枚めくりのルールもこれに貢献していますね。
子供の記憶力は信じられないスピードで成長するので、大人も子供も一緒に白熱して楽しめます。また、プレイ記にも書きましたが、子供が成長するまでは自然に子供にアシストできるゲームなところも良いと思います。勝負の厳しさを教えるにしても、惜しい!と思わせてあげた方が盛り上がりますからね。
メモリーゲームといえばキッズゲームの定番ですが、このゲームは大人同士でも楽しめるゲームだと思います。ましてや、子供と遊ぶ機会があるなら持っていて損はないゲームです。