緊急ニュースです!!「お城がまた崩れ落ちました」
メーカー | Zoch |
発売年 | 2001年 |
作者 | Bill Payne |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
お金を使わずにお城を作るには
むかしむかしパレッティという変わった若者が住んでいました。パレッティの頭にあるのは先祖から続く、天空のお城を作ることだけ。彼は天才的なアイデアで、お金をあまり使わずにお城を作る事を思いつきました。それは…
ヴィラ・パレッティ
2002年のドイツゲーム大賞(SDJ)受賞作です。物語がそのままゲームの説明に直結しているという、素晴らしい作品です。物語の通り、プレイヤーは天空のお城を建設していきます。まずはお城の建設予定値のボードを中央に配置して、そこに全ての柱を立てます。その上に1段目の床を置いたら、ゲームの準備は完了。
実は戦略性が求められる珍しいアクションゲーム
ここからお城の2段目を建設していく訳ですが、柱はもう残っていません。そう、お城を建築する材料は、1段目を支える柱なのです。プレイヤーは自分の手番がくるたびに下の柱を一本抜いて、上の段に立てていきます。この時、各プレイヤーの担当の色が決まっており、自分の色の柱を抜いて上の段に柱を立てていくのです。
そして、『もうこれ以上、下の段の柱は取れない!』という事に皆が納得した場合、上の段の床を設置して、次の階層を建築します(ここで、まだ取れる!という勇者が、更なる柱撤去に成功した場合、撤去した柱をゲームから取り除くことができます)。
上の階層が建築されたら、次に抜くのはさっき自分達が下の段から抜いて建てた柱です。つまり、「次の階層で抜きやすいところ」に自分の柱を置かなければ勝てないのです。
柱の太さは三種類あり、太い程点数が高くなっています。勝者は最上段の床に立てた柱の合計点数が最も高いプレイヤーとなります。太い柱は当然マークされます。アクションゲームなのに戦略性が求められる、珍しいタイプのゲームなのです。
勝者を決定するために、このゲームには「マイスターマーカー」というサイコロのようなものが付属しており、柱を立てるたびに現時点の1位と2位がわかるようになっています。これによって、万が一お城が崩れ去った場合でも、誰が勝者なのかがすぐにわかるのです。
プレイ記
家で飲みながら、シカ、JJ、カジと4人プレイ。
…で、COQさん。その画期的なアイデアってなんですか?
下の階のいらない柱で上の階を作ればいいんだよ
ありえへん
超手抜き建築じゃないですか。
各々の担当の柱の色を決定して、ゲームスタート。
ゲームを始めてみると、均等に乗っていると思われた床が、実は一部の柱にのみ依存していることに気付く。それぞれの柱は微妙に長さが違うのである。
従って、勝負はまず、浮いている柱を見極めるところから。また、柱の太さによって点数が違うので、点数の高い柱を先に上の段へ逃がさないと、自分の点数の高い柱が土台に取り込まれてしまい、点数が伸びない。
取った柱は上の段の床の好きなところに立てられる。ここがミソ。点数の高い柱から重点的に取っていき、上の段の端っこのほうに立てるCOQとシカ。一方、JJとカジはクソ真面目に中央付近に柱を立てる。異論無く次の床を乗っける場面、シカが次の床を中央部に乗せる。
ずるいっ、シカさんとCOQさんほとんどフリーじゃないですか
当たり前や、こちとら何年柱立ててる思うとんねん
シカさん、普段柱なんて立ててないじゃないですか
フリーになった柱。これが中盤すごく有利。フリー柱はいつでも動かせるので、先に床の下にある柱から攻める。一方、全ての柱が床の下にあるJJとカジは一瞬も気が抜けない展開だ。ここで、JJが次の床への移行を示唆。しかし、シカがまだ行ける宣言を成功させ、勇者に。
こちとら何年柱抜いてる思うとんねん
悔しがるJJを横目に、JJの2点の柱がゲームから取り除かれる。その後、4段目まで建設したところで、これ以上柱を失えない、柱の少ないJJが無理をしてお城を崩してしまい、その時の1位であったCOQの勝利。1ゲーム目終了。
いざ2ゲーム目。ビリは飲み会後片付けの罰ゲーム付き。…が、なんとカジが2回目の手番で無理をして、
あっさりお城崩壊。あっけない幕切れだった。
総評
Bronze
Zochの作品だけあって、コンポーネントの出来がすごく良いです。最後まで建築できたことはないのですが、ダイナミックな建築物が出来上がります。
ルールは簡単なので、酔っ払っていてもできますし、子供と遊ぶこともできると思います。しかし、単純なルールの中に戦略性があるのです。そのことを理解しているもの同士で遊ぶことで、まったく別のゲームになるので是非その領域で楽しんでいただきたいゲームです。アクションゲームの中では異質の輝きを放っている良作です。
ゲーム大賞受賞作は伊達じゃない。