人生を幸福にする3つのスパイス、それは。
メーカー | Zoch |
発売年 | 2010年 |
作者 | Marco Teubner |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
コインを投げてスパイスを調合するアクションゲーム
コインを投げて、狙ったスパイスを獲得する『サフラニート』です。ゲームの基盤メカニクスはセットコレクション。いち早くスパイス調合カードに書かれたスパイスを獲得し、スパイスを調合することで勝利します。次第にコインを投げることに慣れてくると、戦略性の出てくるアクションゲームです。
狙った皿に投げ入れろ
狙うスパイスは9種類。ゲームでは、プレイヤーは1投ずつコインをボードに投げていきます。この時、コインは枠の外から投げ入れなくてはなりません。
コインが狙ったスパイスの皿に入ったかどうかは、コインの中央に空いた穴で判定します。皿の一部でも、穴から見えていればOK。写真では、赤と緑のコインが皿に入っていると見なされます。
皿に入っていると見なされたコインのみを残し、コインの裏向けると、そこには金額が記されています。各皿に入っているコインの合計額が、そのスパイス売却金額となります。皿に入っていると見なされたコインの持ち主には、そのスパイスを買う権利も与えられます。
各ラウンドの最初には、何枚かのスパイスカードが表向けられます。スパイスを買う権利を得たプレイヤーは、ここからスパイスを買うことができます。折角コインが皿にはいっていても、場にスパイスカードがなければ購入することはできません。
こうしてスパイスカード売買しながら目的のスパイスカードのセットを集めて行きます。目的とするスパイスの組み合わせはスパイス調合カードに書かれているスパイスです。場に公開されているカードを皆で争うので、早い者勝ちです。その他、スパイス皿の間に書かれた特別マス(4カ所)にコインをいれることに成功すると、スパイスカードを山札から貰えたりという様々な特典が得られます。
投げ甲斐のあるコンポーネント
ゲームボードは組み立て式で、コスモス大箱サイズ×4のダイナミックな盤面での戦いとなります。また、投げるコインは重量もある硬質プラスティック製で、コンポーネントはバッチリです。時には他人の駒を跳ね飛ばし、自分は生き残るという戦略と指先の器用さを要求されるゲームです。
プレイ記
自宅ゲーム会にて、カジ、ヒロシと3人プレイ。
人数によってオープンになるカードの枚数が違う。目標となるスパイス調合カードは常に2枚。これを目指して枠の外からコインを投げ入れる。3人プレイの場合はスパイス調合カードを3枚手に入れる事が出来れば勝利だ。
誰かが狙っていそうなスパイスの皿には値段を吊り上げる意味で高額のコインを投げてみたり。逆に自分が欲しいスパイスには安めのコインを。とりあえず、手前のシナモンを狙ってみる。
…が、失速!というか枠にさえ届いていない。結構シャドウピッチングしてから投げてもショートする。
前置きのシャドウ、超意味ないですね!
こういうシーンは結構頻繁に発生し、結構笑える。で、カジも1投。っトン、スーーーー…
コロン。盤面の滑りは絶妙で、力加減を間違えると途端にコインはあらぬ方向へ。コイン投げの難易度が絶妙で、投げる行為自体が面白い。
「スパイス王に俺はなる!」みたいに盛り上がる。コインを投げ入れる事に夢中になりすぎて、似ている色のスパイスの皿に間違えてコインを投げ入れたりしてしまうのもアナログゲームならではの盛り上がり。
次第に全員が狙ったところにコインを投げられるようになってきて、場は戦略的になっていく。手前の皿を狙うのは結構むずかしいので、イスをどけてビリヤードをプレイするように、グルグルと卓のまわりをまわるようになってきた。
相手のコインを弾いて自分だけ生き残るなどの高等テクを披露する輩も現れる。相手を弾いたりするので、コインの重量感や質感は実にありがたい。これがヘロヘロの紙製コインだったらゲームにならないところだ。何やら、インドの喧噪の中で競りに参加しているような賑やかさがでてきた。
そんな中、ゲームは既に終盤。ヒロシ2枚、カジ1枚のスパイス調合カードを獲得。しかも、ヒロシはあと1枚のカードを獲得すれば勝利。執拗に1点集中でコインを投げ入れるヒロシに対して、COQとカジは協力して邪魔をする。
勝利条件を満たしそうなプレイヤーが現れると、必然的にそこを叩く様相になる。ただし、スタPは順番に移動していくので、数回に1回、最後のコインを誰にも邪魔されずに投げ入れられる手番が訪れる。その度に他の2人で失敗を祈る。祈りは通じて失敗を繰り返すヒロシ。
性格の悪いカジも2枚目のスパイス調合カードを獲得し、ダブルリーチ。
結局、特殊効果で裏向きのスパイス調合カードを盗み見ていたカジが3枚目のカードを獲得して勝利。COQの獲得数はゼロ枚…
プレイ時間:50分
総評
Bronze
アクションゲームに思考性をプラスした、大人から子供まで楽しめるパーティゲームだと思います。コインの投げ入れも、慣れてくれば皆同等にできるようになり、相手のコインの弾き出しや、手番順を考えたプレイでそれなりに思い通りにゲームを進めることができるようになります。たまに起きるイレギュラーなプレイがゲームに不確定な要素を与えたり、笑いを起こしたりするのが好印象。
コインを投げ入れるのに慣れてきてからのほうが面白かったので、初めてプレイする際はボーリングの様に試投を繰り返したほうが良いかもしれません。
あまりゲーム時間が長くなってくると、この手のゲームは冗長になってしまうので、スパイス調合カードの盗み見等を利用して、サックリと勝ち切るのが良いと思います。
現在は「HIBACHI」という名前でリメイクされています。