多数決は公共の利益を追求する手段である
発売年 | 1992年 |
作者 | Reiner Inizia |
プレイ人数 | 3-5人用 |
対象年齢 | 12歳以上 |
ゲーム概要
交渉重視の選挙ゲーム
かなり昔のゲームですが、キックスターターで動物のヒエラルキーにテーマを変更した新版のクラウドファンディングが行われていた『クオヴァディス』です。プレイヤー達は元老院の席獲得を目指し、交渉を重ねて自分の議員を上へ上へと押し上げていきます。経路の途中には得点チップが落ちており、議員を移動すると同時にチップを手に入れることができます。最終的に勝敗を決するはチップの得点ですが、ゲーム終了時に議員を一人も元老院に送り込むことができていないとゲームから脱落してしまいます。
ポストが空くまで上に上がれない
ゲームボードは元老院へと続く樹状図のようになっており、次第にマスが少なくなっていきます。自分の議員を元老院のマスまで進めるのが目的ですが、上が詰まっていると下の議員はそれ以上進むことができなくなります。
あの手この手で多数決を制して
部屋から部屋に議員を移動させるためには、移動元の部屋で過半数の承認を受けなければなりません。自分の票のみで過半数となるように移動させることができれば最良ですが、全員が1手ずつ駒を動かしていくのでそう簡単にはいきません。その場合には”交渉”を行なって票を獲得します。「次は通してあげるから」「得点チップをあげるから」などのロビー活動を駆使してなんとしてでも選挙を勝ち抜いていくのです。
総評
かなり”交渉”に偏重したゲームで、クニチーのゲームの中でも異色の部類です。特殊能力等もなく、良くも悪くも交渉や裏切りを楽しむゲームですが、プレイ人数が少ないと圧倒的につまらない(5人推奨)ので遊ぶ場面を選びます。ものすごくシンプルなルールでピュアな交渉ゲームを楽しめるのは魅力的ですが、一見さんと遊ぶような内容でもなく、現代ではこのゲームを5人で遊ぶ環境の想像が難しいですね。
新版の「Zoo Vadis?」は特殊能力もついて、マスの調整等も入っているようですが、同じ理由で日本国内で見かける機会は少なそうな気がします。