大丈夫、道は必ずある
メーカー | Drei Magier Spiele |
発売年 | 2009年 |
作者 | Dirk Baumann |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 6歳以上 |
ゲーム概要
痛っ!
小さな魔術師は驚きのあまり、目をこすりました。『こんな所に壁が?』魔術師の見習い達は恐る恐る、魔法のラビリンスの中を進んで行きます。彼らには大事な宿題があったのです!
それは ー 魔法の紋章を探し当てることです! 熟練の魔術師の仕掛けた壁が、この宿題を難しくしているのでした。
The Magic Labyrinth rule book
見えない壁のアイデアが白眉でCool
2009年のキッズゲーム大賞受賞作です。このゲームでは、プレイヤーは魔術師の見習いとなり、熟練の魔術師達が設置した魔法の壁を避け、袋から取り出された紋章と同じ紋章の書かれたフロアにいち早くたどり着くことを目指します。先に5個の紋章を取れば勝ちです。
なんと言ってもこの『見えない壁』のアイデアが秀逸です。ゲームの箱の中に中敷と壁を用意して、写真のような迷路を作っておきます。この上にボードを置くと、地下に迷路があるような状態になります。
自分の駒の底には強力な磁石が付いており、鉄の玉がくっつきます。この磁力を利用して、ボードを挟んで駒と鉄球を同時に動かすわけです。そして、”見えない壁”に鉄球が当たってしまうと、鉄球は下に落下し、ビリヤードのボールのように箱の中を転がって四隅の取り出し口に戻ってきます。
「魔法のラビリンスが廻る。壁よ無くなれ。道は必ずある!」
ボードのセットアップをしたら、「魔法のラビリンスが廻る。壁よ無くなれ。道は必ずある!」という魔法の言葉を全員で唱えながらボードをぐるぐる回します。こうすることで、わずかに覚えていた記憶もまったく役に立たなくなります。
まずは、袋の中から目標となる紋章を1つ取り出します。そして、全員がその紋章の書いてあるフロアを目指します。手番がきたら、ダイスを振ってその目の数だけ縦横に移動します。見事紋章のフロアにたどり着いたらその紋章を獲得できますが、駒を移動した時に、壁に当たってしまったら、金属のボールが駒から離れてしまい、移動は失敗です。残りのサイコロの目も失ってしまいます。自分の魔術師駒と金属ボールをスタート時の位置に戻して手番は終了です。
こうして、最初に5つ目の紋章を手に入れたプレイヤーが勝利します。メモリーゲームの一種ですが、見事なアイデアに脱帽の1作です。
余談:ルールブック手抜きなし
余談ですが、ドライマギアシュピールの子供用ゲームは、その世界観がルールブックまで浸透しており、一切の手抜きはありません。まるで映画のパンフレットのような完成度の高いルールブックに酔いしれることができます。
プレイ記
最近、道に迷ったプレイヤーから始めます
自宅にて、大人同士で2人プレイ。
壁の「ラビリンス」は、ゲームボードの中程に木の板を刺して作成するのだが、このアイデアが本当に秀逸。駒の強力なマグネットで吊られた鉄のボールが壁にあたると落下して振り出しに戻る。見事に、そこに透明の壁があるかのごとく、次々に見習い達が倒れていく。今回は大人同士ということで、説明書に書かれていた見本の1つ「ちょっと難しい迷宮」を選択。大間違いだった・・・・
駒もよくできている。裏にフェルトが貼ってあり、一見チェスの駒みたいだが結構重い。磁力は強力。
迷宮をグルグル回してスタートしたが、全く迷路を覚えていない2にん。大人2人で最初の紋章を目指すが、さっぱりたどり着けない。お互いが20回くらいダイスを振ったところで、
3個にしませんか。。
ウム。
しかし直後、やっと最初の紋章にCOQがたどり着く。すると、大体構造がわかってきて、次の紋章はすぐに獲得。その次もたった一回のサイコロで到達。
なるほど、最初の一回で大体覚えるんだね、やっぱ5個にしよう。
と、ここからガチ勝負に。その後は結構バランスよく進み、お互い4つずつの紋章を獲得し、最後の紋章を袋から出すと…なんとCOQの隣のマス。紋章1個の差で辛くも勝利。
ルールも簡単だし、絵もかわいいし、面白い。でも、最初はどうなることかと思った。
プレイ時間20分
総評
Silver
さすが、子供ゲーム大賞を受賞しただけのことはあり、光るポイントのあるゲームでした。コンポーネントも立派。これは子供受けもするギミックでしょうね。
目に見えない迷路のゲームというのはすぐに思いつくものでもいくつかあるし、紙ペンゲームでお互いの迷路を解くような遊びは誰もが子供の頃にしたことがあると思います。しかし、このゲームがそれを磁石のアイデアでキッズゲームに落とし込んだところに驚きを隠せませんでした。
少し残念なのは、紋章のチップの引きで大分運の差が出てしまうところでしょうか。その辺が調節されているともっと良かったと思います。
自分の子供が生まれる前から一緒に遊ぶのを楽しみにして保管していたゲームの1つです。