ただ、君には空高く飛んで欲しいんだ。平地でね。
メーカー | KOSMOS |
発売年 | 2003年 |
作者 | Stephen Glenn |
プレイ人数 | 2人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
不思議な浮遊感の2人対戦ゲーム
2人専用のカードゲーム『バルーンカップ』です。かなり昔のゲームで、KOSMOSの2人用シリーズの1つです。当時、ジョーコデルモンドで紹介されているのを見て購入したことを覚えています。作者のStephen Glennは、ほぼ無名と言ってもよいデザイナーで、他の作品で知られているものはないと思います。
プレイヤーは気球レースに挑戦し、各地で手に入れた賞品によるトロフィー獲得競争をします。コンポーネントは気球カードとトロフィーカード、地形タイルが4枚に布袋と木製賞品キューブ。プレイヤーの間に1〜4の数字が書かれた地形タイルを並べ、タイルの上に数字分の賞品を補充します。
手札として気球カードを8枚ずつ配ったら準備完了。手番では、手札から気球カードを1枚プレイし、各地形での気球レースの勝敗を確認した後に手札を補充します。気球カードは自分側、相手側のどちらにプレイしてもかまいません。ただし、地形タイルに置かれた賞品の種類と数と同じカードしかプレイすることはできません。
両側に賞品と同じ数のカードがプレイされたらその場所のレースは決着。地形タイルが平地なら気球カード合計値が少ないプレイヤーが勝利し、地形タイルが山脈なら気球カード合計値が多いプレイヤーが勝利します。地形タイルの表裏は平地と山脈となっており、レースが決着した地形タイルは裏返して賞品を補充します。次のレースはさっきと逆の条件ってわけです。
それぞれの色のトロフィーカードは、カードに書かれた個数分賞品を集めると獲得できます。また、既にトロフィーが獲得された色の賞品は3つ集めると他の色の賞品として数える事ができるようになります。5個のトロフィーのうち3つを獲得したプレイヤーが勝利!
プレイ記
たっくんと2人プレイ。
最初の場札は「1番平地」「2番山脈」「3番平地」「4番山脈」と並ぶのがルール。
黄色が手札に無いものの、1や13に偏っている中々の手札。そして初手。やっぱりここは楽しく、そしてルールを一気に把握して貰うために相手の側へプレイすることにする。手が滑ってつい「1」をたっくん側の山脈に。
まぁ、ここは低く飛びましょうよ!
(!)
すると、たっくんは賞品キューブが沢山のる4番の山脈に「黄色の13」をプレイ。
そんなに急がずに、ここは低く飛んでいきましょうよ。
(!)
危ない危ない、そんなに高く飛んだら大気圏を飛び出しますよ…と。たっくん側の4番に「青色の1」をプレイ。すると、たっくんもCOQ側の平地に「黄色の12」をプレイ。真の気球レースがスタートした瞬間である。
基本的にはカードをどんどん自分の側にプレイしていく。相手が良いカードをプレイしたら、勝敗が決する前に高度を調節させて頂く。そして、3番の平地に「黄色の2」をプレイするたっくんに「赤の10」をプレゼント。
いやぁ、たっくんのボードゲーム日記にはもっと高見を目指して欲しいですねぇ、平地でだけ。
高ッ!
ほどなく3番のレースは決着し、賞品キューブを頂く。その後、平地は裏返されて山脈に。ゲームに初めて緑色の賞品が登場する。この時、COQの手札には「緑色の1」と「緑色の13」が。
早速3番で飛び上がろうとするたっくんさん側にすかさず「緑色の1」をプレイ。その後、1番の平地の勝敗を決しているたっくんを尻目に、「緑の13」を自分側にプレイ。またしても3番の主導権を握り、賞品キューブを頂く。
中盤の様子。だいぶ賞品キューブが貯まって来ている。手札にはどうしてもどっち付かずの数字が余るので、レースの勝敗を決する時に効率的に使いたい。などと考えていると、、
ここでたっくんが手札を全公開。出せるカードが無い場合は手札を公開し、手番中1度だけ4枚交換を行うことができる。…が、交換後もカードを出せない。その後、なんと3回連続で手札公開。どうやら不運がたっくん側に偏ってしまったようだ。
そうなれば、順調に賞品キューブを獲得するのみ。やがて、赤と緑の賞品が規定数に届き、トロフィーを二つ手に入れる。青の賞品も3つあるので、あと1つあればトロフィー獲得。
ここで注目なのは黄色の賞品が3つあること。トロフィー獲得後の賞品は3つで他の色に変換できるのだ。つまり、黄色のトロフィーがたっくんに獲得されてもCOQの青賞品が4つとなりトロフィー獲得。勝ち筋は2通りあったのだ。
黄色の賞品が賭かったレースは既に劣勢で、たっくんが黄色のトロフィーを獲得。ここでカミングアウト。
獲得されたトロフィーの賞品は3つで他の色になりますので、青4つになりました。ただし、トロフィーを獲得できるのはレースに勝ったタイミングのみです。
しばし、勝負は続く。この時点でたっくんも青賞品を3つ持っているので侮れない。
しかも、問題のレースは接戦。平地なのに、COQは空高く13も飛ばされている。…が、カード運に助けれられ、無事賞品を獲得し、トロフィーゲット。
プレイ時間30分
総評
Bronze
テーマと絶妙にマッチした浮遊感で面白いゲームです。本当にふわふわと気球レースをしているかのような感覚。お互いに攻撃し合うガチンコの対戦ゲームなのですが、この浮遊感のお陰で終始和やかにプレイできます。「もっと高く飛びましょうよ」というやり取りが楽しいです。
手札が8枚もあるので、それなりに運を払拭することもできると考えていたのですが、3連続プレイ不能事件が起るあたり、やはり運の要素は強そうです。考えどころは「賞品キューブの取捨選択」であり、トロフィー獲得の為に、どのレースに全力投球するか、というところでしょうか。ここが巧く行けば有る程度勝てるような気がします。
プレイ感はさながら運の要素の強いバトルラインというところでした。地形が裏返ってカードの運用が逆になったり、賞品キューブでトロフィーを獲得したりと狙っているのかどうかはわかりませんが、うまく機能しているゲームだと思いました。