屋根を開けてごらん?おいしいチーズがあるかもよ?
メーカー | Zoch |
発売年 | 2007年 |
作者 | Jens-Peter Schliemann他 |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 6歳以上 |
ゲーム概要
ツォッホの「チーズのお城」です。さすがのツォッホ作品で、コンポーネントが映えすぎです。
4匹のネズミをうまく動かして5種類のチーズを集めるゲームです。チーズを手に入れるには、塔からお城に忍び込み、床に置かれたチーズの上にネズミをうまく動かさなければいけません。この床のチーズ、同じものが3カ所に置かれているのですが、そのうち2箇所に自分のネズミを到達させることにより、獲得することが出来ます。
しかし、チーズの獲得はそう簡単ではありません。なぜならお城の中には屋根があるため、ネズミを忍び込ませるまでどこにチーズがあるかわからないのです。また、床にはチーズの他に、恐ろしい”ねずみ取り”の落とし穴もあったりします。ここに落ちたネズミは、なんとゲーム終了まで暗い地下室に閉じ込められるのです。
お城の床は縦横3列が1マスずつスライドするようになっています。運よく他人の手番でスライドしてきた床のチーズを偶然に獲得することもありますが、屋根の下から突如ねずみ取りが牙を剥くこともあります。スライドできる床はボードを横から見ると、赤い旗で示されていて解りやすくなる工夫がされています。
手番は4ポイントのアクションポイント制です。3種類のアクションを自由に4つ組み合わせて行います:
手番終了後、ネズミのいない場所の屋根は再び配置され、床が見えなくなります。
ここまで読んでお分かりの通り、かわいいコンポーネントとは裏腹に、勝負の行方には記憶とアクションポイントの管理が重要なガチゲームです。ランダム配置のチーズタイルの運もありますが、ゲームが始まった後は完全にロジカルシンキングの戦いです。4つのアクションポイントを効率的に使わないと、中々目的のチーズには到達できません。
プレイ記
自宅にて2人プレイ。
箱を開けてみると、いきなり赤い紙にびっくりマーク。説明書にも大きく記載されているが、「タイルを抜いた台紙のうち一つはお城の床としてゲームに使用するので、捨てないで」ということのよう。タイルのうち5つにはさらに「この台紙を捨てないで」と書いてある。確かに、ゲームを始める前にゲームボードを捨ててしまったら悲し過ぎるので、気をつけよう。
初期配置は下記の写真のように四隅に塔を立て、スライドする床を縦横3列に並べる。この上に例の穴開きボードを被せ、その上から屋根タイルを乗せて完成である。
まずは、好きな塔にネズミを乗せ、隣り合った屋根を取り除いて周りを確認して突入! お互い、ネズミを1匹ずつ投入していく。次の手番もお互いネズミを投入し、3回目の手番。ここで、戦略の違いが出てくる。
何匹もいるとわからなくなるから、2匹で攻める!
じゃあ、こっちは全弾投入作戦!
ネズミをお城にまんべんなく配置すれば有利だと思ったのだが、アクションポイントが4つしかないため、たくさんネズミがいても効率的にチーズにたどり着くのは難しかった。そうこうしているうちに、相手はチーズを3つも獲得。その間、COQは1つのみ。
あとはトムとジェリーみたいなチーズだけ!手に入れて勝つる!
(余裕かよ)しかし、ここでCOQが床をスライドさせたことにより、AMIのネズミの下に突如ねずみ取りが出現した。
コロンっ
あっけなくネズミは奈落の底に落ちていった。
まるで「能」の一場面のようにスッと落ちていったね。美しい。
ひどい!こんなかわいい駒落とすかな、普通。
そりゃ落とすさ、ゲームだもの。
しかし、2匹の精鋭作戦のAMIは駒が減ってもあまり動じない。次の手番で、まったく同じ色のねずみを補充。恐るべし、クローン部隊。バイオ戦士。
COQチーズ3つ、AMIチーズ4つで迎えた終盤、COQの手番で先頭を行くネズミの隣の屋根を取ると、なんと同じチーズが2つ固まっていた。しかも、残り3アクションで自分の駒を2つチーズの上に動かせる絶好機。しかし、その隣にはねずみ取りが口を開けている。恐る恐る、箱の横を見ると、、その列には赤い旗が。
これは死のチーズだ・・・
そこ落とすからね、ゲームだもの♬
やむなく死のチーズを回避し、手番終了。その後、AMIがあっさり5つ目のチーズを獲得し、勝負あり。2戦目も1対5でボロ負け。
プレイ時間30分
総評
Bronze
コンポーネントはかわいい。屋根のお陰で床が頻繁に見えなくなるのに加えて、スライドでさらにわからなくなるところをメモリーするのがとても難しい。しかし、ゲーム自体はアクションポイント制なので、詰め将棋のようなロジカルシンキングが求められる。2人プレイではアブストラクト色が強くなってしまうので、3〜4人である程度制御不能なパーティゲームとして楽しんだ方が良いかもしれない。
対象年齢的にはキッズゲームなのだが、配置以外はガチゲーの色が濃いので子供と遊ぶ場合は大人数で遊ぶ方が良いと思う。キッズゲームとして考えると、にわとりのしっぽの偉大さに改めて気づいてしまう。