一番高くなる鐘楼はどれだ!
メーカー | DDD Verlag GmbH |
発売年 | 1996年 |
作者 | Hanno Kuhn, Wilfried Kuhn |
プレイ人数 | 2-5人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
どの鐘楼が一番高くなるかを予想するゲーム
1996年の発表作『カンパニーレ』ですが、2009年に新版が発表され、今回紹介しているのはこちらのバージョン。5つの鐘楼を高くしていき、どの鐘楼が一番高くなるかを予想するゲームです。高くなると思う鐘楼にベット(投資)するのですが、新版と旧版で若干ルールが違います。
カードをプレイして補充するだけ
手番では、土台としてあらかじめ置かれたカードに、手札から各自が1枚ずつプレイして、上へ上へと建築していきます。カードの重ね具合で1段〜3段までのばす高さを調節できます。つまり、自分が伸ばしたい塔のカードは最大限ずらして(3段)置くことで高くし、伸ばしたくない塔はなるべく重ねておくことで(1段)少ししか伸ばさずに邪魔をすることができるというわけです。
手札からカードを置いたら、場にある3枚から1枚を選んで補充します。その後、新たに山札から場にカードを出します。この場のカードがカードサプライ以外の効果を持っていることがこのゲームの肝。ちなみに、新版は山札が1山ですが、旧版では3山だったようです。
投資できるのは場のカードの塔のみ
カードを配置した後に、自分のチップを鐘楼にベットできます。しかし、ベットできる先は、場にある3枚のカードの鐘楼のみなのです。自分の手札にあるカードを出してみたものの、場のカードと合わずにベットできない。という悩ましさが凄いです。ちなみにベットは先出有利。先に唾をつけておけば、後ほど追加して優位を保ことができます。しかし、あまりにも優位性を見せすぎると誰も協力してくれなくなります。目立ちすぎないように上手く立ち回る必要があります。
中間決算と最終決算
山札から中間決算と最終決算のカードがでたら得点計算。高くなっている鐘楼から順番に、得点のカードを付与していきます。その後、それぞれの鐘楼で優位なプレイヤーが得点を獲得。中間決算があるのは新版だけのようです。
高くなった鐘楼のテッペンに旗がなびく様は中々壮観です。最終決算後、最も得点を獲得していたプレイヤーが勝利します。
プレイ記
ヤス、のっち、セイコーの4人で。COQは青いチップ。
セットアップしてゲームスタート。照明が黄色くてカードの色味が変わってしまっている。
手札は3枚。4隅がラウンド加工されていないので少しチクチクする。絵は凄く綺麗、たまに遊び心のあるカードが混じってる。土台は既に置かれているので、どのカードも出すこと自体は可能。先手番が既にチップを置いたところはあまりのばしたくない。
斜塔カード(左端)を置いて、ついでに軽くベットしてみる。得点カードには1位2位に得点を与えるものがあるので、ベットでペアとなるプレイヤーと協力していくのも大事…だが、斜塔にベットしてきたのは流木のっち。仕方がないので貧乏人同士で協力して斜塔をのばす。狭い土地なら俺たちにまかせろ、と。
ついでに、空いていた隣りの青い鐘楼にも唾を付けておく。元気良くのびていくのは、右側の2本。こっちはヤスがご執心。
バカと煙は高いところが好きだけど、バカではない筈なので俺達は煙だな、などと馬鹿なことを呟きながら。
対抗して自分のベットした鐘楼ものばしていく。しかし、折角のばした青い鐘楼に流木のっちがさらにベットを重ねて来た。
当然、ベットを被せるべくチャンスを伺うが、場にカードが出てこない。たまに出て来ても、誰かがすぐに手札補充に利用してしまい、COQの手番に残らない。苦し過ぎる。
祈りむなしく中間決算。結局、青い鐘楼の1位はのっちに譲る。中間決算も最終決算も、高い程に高得点の旗が与えられる。
そして後半戦。このあたりまでくると、残りチップの数から、どの塔で優位を保てるかの計算が容易になってくる。しかし、場のカード次第でその計算が狂うこともしばしば。
終盤、セイコーが青い鐘楼にも手を出して来た。一躍のっちに次ぐ2番手となるセイコー。なんとかしてチップを追加したいが、2人が結託して青のカードを枯渇させてくる。場にカードがないとベットすることができない。
さらに、セイコーにだめ押しのベットを青の鐘楼に決められ、万事休す。
直後に終了フラグが立ち、得点計算。見事に延びた鐘楼は圧巻。残念ながら、1点差で破れてしまった。
散々結託して邪魔をしておいて、馬群に沈むあたりは流石の流木プレイ。
プレイ時間:22分
総評
Bronze
良いゲーム。カードをプレイして補充するだけのシンプルなルールを、山札からめくられる場のカード運が、手札とビットの2重に影響して楽しいゲームにしてくれています。旧版の1発勝負も悪くないけど、新版のほうが2回の決算で楽しみやすくなってるし、カード補充のルールが洗練されてますね。
特に鐘楼へのビットが熱く、追いすがってくる相手を引き離しにかかる瞬間のカードめくりには必然的に力が入ります。相手が乗ってこなければ無駄なビットはしたくないので、そのあたりの駆け引きも重要。置きたいのに置けない瞬間、置きたい相手のカードを取る瞬間がどちらも楽しいです。
また、ゲーム中に幾度か訪れる、狙った鐘楼での協力関係の構築、すれ違いなどの分岐点もゲームを盛り上げてくれますね。俺で勝負しろ!みたいな。
2〜5人のどの人数で遊んでも遜色なく面白そうなところも良いですね(注:4人と2人しかプレイしてませんが)。プレイ時間がスッキリ短いのも◎。カードの角が尖っているのだけが難点ですが、絵も綺麗ですし特に文句は無い感じ。お勧めです。