能ある鷹は爪を隠す。襲われないようにね。

メーカー | Gamewright |
発売年 | 1992年 |
作者 | Reiner Knizia |
プレイ人数 | 2-8人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲームレビュー
多人数対応の海賊カードゲーム
クニチーの海賊カードゲーム『LOOT』の紹介です。このゲームは「海賊」というアラカルトカードゲーム賞を受賞したゲームの亜種で、本作は高IQ者のみが入会を許されるという団体のゲームアワード(Mensa select)を受賞しています。ゲームの目的は、価値の高い商船を沢山獲得すること。手札を上手にコントロールし、場に出てくる商船を競り落すようなゲームです。アートワークは全くそそりませんが、ゲームは中々面白い出来です。手札から商船を出港させ、次の手番まで襲われなければ自分の得点となります。
1.手札を1枚補充する
2.手札から商船を場に出す(出港させる)
3.海賊カードを出して商船を襲う
コンポーネントは、カードのみ。大きく分けて、3種類のカードがあります。
<商船カード>
書かれているコインの分だけ価値を持っています。獲得した価値の合計が勝利点となります。しかし、ゲーム終了時、手札にこのカードを残してしまうとその分だけ減点です。

<海賊カード>
髑髏の数だけ戦闘力を持っています。商船の獲得の仕方は、競り方式です。誰かが商船を出港させたら、その商船に海賊カードを重ねることによって攻撃を仕掛けることができます。そして、”次の”自分の手番がまわってきた時に、自分を上回る攻撃力で商船を襲っているプレイヤーがいなければ、その商船カードを獲得することができます。商船への攻撃は、上乗せしていくことができます。つまり、誰かがその商船の競りにのってくれば、どちらかが諦めない限り、ぐるぐると競り合いが続くわけです。
ただし、その間にも他のプレイヤーが新たな船を出港させるかもしれません。手番で出せるカードは1枚のみですので、苦渋の選択を迫られる自体が頻発します。尚、商船を襲う時にプレイヤーが使用できる海賊カードは1色のみ。上乗せして攻撃する場合には、手札に同じ色のカードが必要です。

<キャプテンカード>
戦闘力を使用した競りに、軽くスパイスを。キャプテンカードが上乗せ攻撃としてプレイされると、戦闘力でどんなに負けていても、その戦闘に勝利することができます。キャプテンカードがバッティングした場合には、後だしのプレイヤーが勝利します。全くそそられないアートです。

ゲームは、誰かの手札が枯渇した時に終了します。その時点で、最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利します。
プレイ記
カジ、ナカ、ヒロシ、ブンと5人プレイ。

初期手札。キャプテンカードが無いので地味な展開が予想される。ちなみに、キャプテンカードは各1枚しか入っていない。

早速、カジが安めの商船を出港させる。

速攻で群がる海賊達。商船カードは全体で100点分含まれているので、そんなに焦ることは無いのだが、どうしても獲物があると反応してしまうのがヒトというもの。

まだまだ全力で攻撃しなくても、一杯でてくるよ。

怪しいなぁ、そうやって騙そうとしてるんじゃないんですか?

親切のつもりが、なぜかマークされてしまい、商船を出港させる度に誰かが仕掛けてくる。このゲーム、一度競りにのってしまったら降りるわけにはいかない。場がヒートアップしたところでシレッっと商船を出港させ、無傷で獲得してしまうという作戦が一番おいしい。
それをやってのけたのはナカ。逆に、口が先にでるCOQのようなタイプはすぐにマークされ袋だたき。目立っちゃだめなんだよこのゲームは。

それにしても、海賊カードに比べて商船カードが多い。しかも、価値が結構高い。こんなの出港させたら奴らに蹂躙されてしまう。てことで、手番ではしばらくカードを引きまくる。

…が、裏目。みるみると商船カードが増えていく。涙で視界が曇り、写真もぼやけた。だが、これを手札に残していてもドマイナスになるだけ。

仕方なく出港→襲撃→出港…を繰り返すが、完全に養分状態。

ボロ負け!洋上を巧みに暗躍したナカが勝利。
プレイ時間30分
総評

Bronze
8人まで対応という部分では中々使い勝手の良いゲームです。偶数人数ではチーム戦を行う事ができます(6、8人はチーム戦のみ)。クニチーの作品としては珍しく、ゲームのシステムと「海賊」というテーマがとてもうまくマッチしており、ゲームの説明も楽ですし、気分もでます。
リプレイの様子を参照するとわかる様に、ゲームの勝敗にはカード運が大きく関わっています。従って、思考性の高いゲームを好む方にはあまり向かないかもしれません。しかし、米国アマゾンのカスタマー評価を見ると、家族層には劇的にヒットしているようです。面白ポイントは、まわりがヒートアップしている横でひっそりと商船を出港させるドキドキ感や、無傷で商船を獲得した時のしてやったり感でしょうか。
対象年齢は10歳以上となっていますが、7〜8歳でもいけると思います。また、チーム戦があるので家族みんなで楽しむのに向いているのかもしれませんね。特に、男の子はこんなテーマが大好きなはず。