ナヴェガドール(ナビゲーター)

乗り遅れるな!この流れは本物だ!
新しい航海があなたを待っている!

メーカーPD Games
発売年2010年
作者Mac Gerdts
プレイ人数2-5人用
対象年齢12歳以上
TBGL TOP10 Game

ゲーム概要

大航海時代!

時代は大航海時代、エンリケ航海王子が海洋探検家を駆使してポルトガルに莫大な富をもたらした時代です。プレイヤーは15世紀のポルトガル名門商家となりヨーロッパから遥か長崎までの航路を制覇します。植民地や工場、造船所等を設立して資金を効率的に稼ぎ、行く先々の海域を探検して最も勝利点を稼いだプレイヤーが勝利します。

<ボード全景> 下部に見える円形の部分が「ロンデル」。 ロンデルには各アクションのマスがある。 市場のみ2つある。

ゲームボードには、主に喜望峰を経由するインド航路がポルトガルから長崎まで描かれています。また、左端にはアメリカ大陸も見えています。ボード上に描かれた海域は黒のラインによって幾つかの海域に、赤のラインによって3つの大きなエリアに分割されています。プレイヤーは自分の船を操舵し、1マスずつ海域を探検して行きます。ゲームは3つのフェイズに分かれており、誰かの船が赤いラインを越えて新たな海域へと侵入すると、次のフェイズが始まります。

各海域には、探検家駒(青い円盤状の駒)が置かれています。また、各海域には植民地タイルが裏向きに置かれており、誰かが侵入した時に全て表向けられます。植民地駒の表には、各タイルの値段が書かれています。初めてその海域に侵入したプレイヤーは、探検家駒と表向けられたタイルに書かれた値段のうち最も安い値段分の金貨を得る事ができます。ただし、未開の海域には2隻の船を同時に侵入させねばならず、必ず1隻が沈んでしまいます。冒険に危険はつきものなのですね。

植民地と特産品

さて植民地は、既にタイルが表向けられた海域に船を侵入させることによって購入することができます。植民地は3種類あり、それぞれ砂糖(アメリカ大陸)、金(アフリカ大陸)、香辛料(インド〜アジア)に対応し、「特産物」を生み出します。

<市場の価格マーカー> 3種類の品物それぞれに対応したマーカーがある。一番右端は工場の製品の値段、 特産物の値段とは反比例している。

生み出された特産物は、市場でお金にすることができるわけです。また、市場でお金にする事の出来るもう一つの資源として工場で生み出される「製品」があります。製品は特産物と表裏一体の関係にあり、特産物が沢山売られると、対応する工場の製品の値段が上がり特産物の値段は下がります。逆に、製品が沢山売られると、対応する特産物の値段があがり製品の値段は下がります。言うまでもなく、工場にも砂糖工場、金工場、香辛料工場があります。

<建物> 人のマークは建設に必要な労働者数。ここで建築されるのは今か今かと待っている。次第に値段が上がっていく。

工場は「建設」というアクションによって建てることができます。建設では他に教会、造船所を建てることができます。建設と植民地の設立にはお金がかかるわけですが、それ以外に必要なのが労働者です。植民地の1つの設立には船1隻と労働者2人を所持している事が必要であり、建設には最低3人の労働者を所持している必要があります。

労働者を雇用するには、教会の影響力を使用します。具体的には、教会の数の人数分だけ安価に労働力を得る事ができるわけです。教会以上の労働力を得る事もできますが、その場合前述の3つのフェイズに応じてフェイズ1:2倍、フェイズ2:4倍、フェイズ3:6倍のコストがかかります。同じ様に、船は造船所の数だけ安価に建造することができます。それ以上の建造には労働力と同じ倍率のコストがかかります。

建造された船はポルトガルの海域に生まれます。最初のうちはいいけど、舞台が長崎に近くなったら移動がめんどくさそう!って思うかもしれませんが、そこはご安心を。フェイズと同じ数だけ船も移動力が増していきます。フェイズ3では一度に3マス分動けるわけです。

マック・ゲルツ=ロンデルの集大成

さて、ここまで説明してやっとこのゲームの根幹のシステムに触れる事ができます。それは、「RONDEL(ロンデル)」と呼ばれるシステム。プレイヤーは自分の手番でボード下部に描かれた円グラフのような部分を使用してアクションを選択します。プレイヤーは自分の駒を時計回りに動かしていくわけですが、コストを支払わずに移動できるのは3マスまで。それ以上を移動するには1マスにつき船を1隻破棄するという大きな痛手を伴います。また、当然今まで居た場所に立ち止まることはできません。ロンデルというのは、円盤や円形の小窓を意味する言葉のようです。これが中々悩ましくて、序盤はどんどん労働者を雇いたいのに1度労働者のアクションマスに止まると、次に止まれるのは最速でまわっても3手番後だったり、植民地を設立するには市場に先に止まらないとお金が足りないけど、市場に止まると他のプレイヤーが先に植民地を設立してしまいそうだったり、ゲームを盛り上げ、次の手番を待ち遠しくしてくれる良いシステムです。

ゲルツはこの作品に至るまでロンデルにこだわり続けてゲームをデザインしてきました。これまでは、マルチゲームのような作品をロンデルでユーロゲームに繋ぎ止めているようなイメージがありましたが、このゲームでは遂にユーロゲームでロンデルを炸裂させています。

勝つための方法

さて、ゲームに勝利するには勝利点を集める必要があるわけですが、勝利点を得るには幾つかの方法があります。

勝利点を獲得する方法

お金:200金=1勝利点となります。これは最も効率の悪い方法と言えるでしょう。

船と労働者:これらはゲーム終了時それぞれ1つにつき1勝利点となります。

影響力:影響力は植民地/工場/探検家/造船所/教会の5種類があり、それぞれの影響力×所持している個数が勝利点となります。

影響力は自分のボード最初からある分と「特権」アクションを使用して得た影響力タイル分とをゲーム終了時に加算して産出します。しかし、影響力タイルはロンデルで特権マスに止まるだけでは貰えません。貴重な労働者を1人生け贄に捧げなくてはならないのです。また、各影響力タイルの枚数はフェイズごとに限りがあるので要注意です。影響力タイルは自分のボードに置かれた瞬間に、現時点で所持している植民地や建物の数に応じたボーナスを与えるので、影響力タイルを獲得するタイミングを図るのがさらに悩ましくなります。

<個人ボード> 最初、万能工場/造船所/教会が1つずつ配られる。万能工場はゲーム開始時の1つのみが登場する。
右上にあるタイルはゲーム終了時、どこの影響力に使用しても良いタイル。

この説明からわかる通り、勝利点は色々な経路から得る事が出来ます。植民地を開発して得るのも一興、ひたすら新たな海域を探検するのも一興、工場や教会を建てまくるのも一興、ひたすらお金を稼ぐというのもありかもしれません。

どんな素晴らしいゲームにも終了が訪れる

ゲームの終了条件は2つ。誰かが長崎に到達するか、建物が全て建設されるか、です。素晴らしいゲームなのでいつまでも遊んでいたいのですが、仕方ありません。

<終着地点の長崎> 置かれているタイルはここのみ探検時、2隻の船がしずむというサイン。
つまり、最後は3隻の船で挑まなければいけないわけだ。

めくるめく群雄割拠の大航海時代!!様々な手段を駆使して巨万の富を手に入れ、世界一の航海王になるのは誰だ!

<探検家の影響力タイルを1枚配置> 探検家が2人、影響力が5なのでゲーム終了時10勝利点。
また、この時点で置いたとすると、40金×2=80金が貰える。

プレイ記

COQ(赤)、ほーまるさん(青)、MOGさん(黒)、海賊船さん(黄)、あしかさん(緑)と5人プレイ。

5人で遊べる面白いゲームの存在価値は高い。

期待に胸を躍らせてスタート。最初は船2隻、労働者3人を所持しています。

COQは中学生の時にコーエーの「大航海時代」というゲームに出会って以来、この世界観が大好物。まったく、ロマンがありすぎて目眩すら覚えます。

できた!
手番は海賊船さんから。早速、新たな海域へと船を侵入させ、1隻を犠牲にして探検家と報奨金を貰う。最初の手番は好きな行動が選べるのでかなり有利。その有利さを打ち消すため、最後の手番のプレイヤーには「エンリケ航海王子」タイルが与えられる。

このタイルを使用することによってロンデルに関係なく、1度だけ船を動かすことができる。使用したタイルは右隣のプレイヤーへ移動することになる。ただし、タイルはロンデルを1周するまでに使用しなければならないので、ずーっと持ち続けることはできない。

次のあしかさんは労働者を増やす作戦。そして、やっとCOQの番。運良くアメリカ大陸の新規海域が未開だったので、船を突入させる。
COQ、アメリカへの航路開拓。

COQ
COQ

今より、この島を太陽の島、サンサルバドル島と名付ける!

この時点でアメリカ大陸に広がる広大な砂糖きび畑の植民地を独占する計画を立てていた

そして、貰える探検家駒。植民地プレイを選択しようとしたものの、どうにも未開の海域が冒険者COQを呼んでいるような気がしてならない。それにしても、個人ボードが成長していくのって異常に楽しい。ゲームの神様リチャード・ガーフィールドが著書の中で「ゲームの楽しさはできなかったことができるようになること」と言っていた。個人ボードの成長ってまさにこれよね。

冒険者プレイに後ろ髪を引かれながらも、次の海域へは船が2隻ないと突入できない。とりあえずは予定通り、一番安いサトウキビ植民地を設立して様子をみる。

植民地と工場は相反する関係。お金を稼ぐ方法はどちらかに限定したほうが良いようだ。なぜなら、同じカテゴリの商品は同時に商いできないから。つまり、特産物の砂糖を売ったら、砂糖の製品は売れないのだ。また、ほーまるさんがゲーム開始前に教えてくれたが、どちらかといえば工場が不利。

各人がゲーム開始当初に万能工場を1つずつ持っている。このおかげで、工場の売りは絶えず入るのだ。しかも、万能なため、最も高くなっている製品が売却されるため、中々工場の値段は上昇しない。とにかく、ライバルがこないうちにサトウキビ畑を買い占める!

その次の1手。冒険者の影響力マーカー獲得。一貫して植民地のマーカーを集めれば良いものを、未開の海域が呼んでいるような気がして魔が差す。しかも、労働者を1人生け贄にしたため、終盤まで労働者不足に喘ぐこととなる。

影響力マーカーはフェイズ1には1枚になるように。フェイズ2は2枚になるように補充される。早い者勝ちなのだ。

船を建造し、後続の船と船団を形成して南アメリカの海域に侵入するCOQ。これで、全てのサトウキビ植民地が露になった。あとはこれを買いまくるだけ。

ポルトガル沖にはあしか商家の大船団が見える。あそこは造船所を建造し、本格的に探検に力を入れる模様。まぁ、いい。こちらは今見えている40と50の植民地を手に入れよう。

しかし、この後COQに悲劇が訪れる。

ロンデル上の駒が「植民地」アクションに届くのを待っている間、冒険に力を入れると考えていたあしか船団が押し寄せたのだ。

手番的に大丈夫だと思っていたのだが、エンリケ航海王子の力を借りて一気に進む船団。そして、40と50の植民地が買われてしまう。この衝撃は安い植民地が購入される打撃と独占が叶わない打撃の2段仕込み。
やるなぁ。あしかさん。

しょうがなく、高い植民地を設立するも・・・

お金はすっからかん。なんとか、サトウキビを転がして資金を捻出しなくては!植民地や建物は数が限られているので他人の狙いとバッティングしないことがとても重要。ロンデル上の駒の位置を見て、将来の展開を巧みに予想しないと最良の1手は打てません。

狙いがバッティングしたことを皮切りに、船団を一気にインドへ向けるCOQ。こうなれば、植民地と冒険の2方向から攻めるしかありません。

あしか船団も後を追ってくるものと思っていたら、なんとアメリカ大陸に船を1隻残す好手。こちらも急いで船を建造してアメリカへ送り込まなくては!

中盤のCOQボード。探検家は増えて来たが、いかんせん造船所と教会が初期のままなので、資源供給が続かない。苦しい

そこで、COQ商家も虎の子のへそくりをはたいて造船所を建設。船を建造しまくって、探検家による勝利点と船自体による勝利点の獲得を目指す。合わせて影響力タイルも獲得。

ここまで、設立した植民地は砂糖のみ。しかし、コイツがそこそこ稼いでくれるお陰でなんとか成り立っている。なぜ、そこそこ稼いでくれるのかと言うと、上部に見える工場売り場にその答えがある。植民地の数と比べて工場が案外建設されているのだ。工場の製品がよく出回るおかげで特産物はそれなりに高く売れる。

しかし、となりのほーまるボードには恐ろしい光景が広がっていた!なんと、建設された殆どの工場はほーまるさんの敷地に。この時点で、誰もがこの状況のまずさには気付いていたのですが、各自が別々のプレイをしていたため、ずるずると独占を許してしまう。

そして、勝負は「全ての建物が建設される」か、「誰かが長崎へ突入するか」の競争となる。建物が建設されるということは、それだけほーまるさんの独占を許すということ。冒険家対工場王、意地のスピード勝負!

終盤、COQもなんとか造船所を建設し、船を量産。ただし、COQの狙いは長崎ではなく、世界各地に船を派遣して、残された植民地を設立しまくること。

はたして、デッドヒートを繰り広げる他商家の影に隠れ、最後の作戦は間に合うか!

クモの子を散らすように世界中に広がるCOQ船団。しかし、次の手番でMOGさんも狙いに気付き、同様に船団を展開してくる。そうこうしているうちに、未開の海域は長崎のみ。建物も残り3つ。

風雲急を告げる15世紀!

あしか船団が駆けつけるも、1手差で最後の教会が建設され、ゲーム終了。工場は全てほーまる商家に建設されたのでした。

おつかれさま!

COQ商家最後の姿。探検家の影響力はMAXまで成長するも、肝心の探検家駒が3つから伸びず。。

左に見えるのは呪いのプレート・・・ではなく、エンリケ航海王子タイル。

見事勝利したのは、工場を独占しまくったほーまるさん。その他のプレイヤーが植民地で工場製品の価値を上げ、その利益をすべて吸い取るという至福の展開。ぶっちぎりの勝利でした。

最終得点

ほーまる:108 MOG:86 海賊船:85 COQ:74 あしか:65

ゲーム時間2時間半、タップリ楽しみました。序盤、狙いが被ってしまったCOQとあしかさんはつぶし合ってしまった格好。そして、工場の独占を許したのが敗北した全員の敗因。やはり、邪魔しなくてはだめだったのですね。

総評

Platinum

このゲームは激烈に面白い!
見事に表現された大航海時代のロマン!
絶妙に機能する市場の値段マーカーを始めとして、全てが論理的にまとまったゲームシステム、そしてそれらアクションをまとめるロンデル!
ロンデルはボードゲーム史上の大発明のうちの1つと言っても過言ではないでしょう。これは別格のゲーム。

同時期、世界の7不思議等が話題となっていましたが、真に評価されるべきはこのゲームだと思う。これは絶対、繰り返しプレイされ、将来的にも名作と評されるであろう傑作。自分は予備の分も購入しました。

最近のゲームに良くある様に、勝ち筋は色々あり、自分のロマンを追い求められます。しかし、その他のゲームと違うところは、勝ち筋は色々あるのに手番が少なくて何も出来ないという不完全燃焼感は無い事。適度なゲーム時間がプレイヤーの欲求を十分満足させてくれます。さらに、ソロプレイ感はまったくなく、他人とからみまくりです。

唯一、欠点をあげるとすればスタートプレイヤーが若干有利過ぎる事。この有利さはエンリケ航海王子によって軽減されるわけですが、3人プレイでも5人プレイでも最後の手番のプレイヤーがエンリケを最初に使用する権利を与えられるということは、5人プレイの4番目のプレイヤーはかなり不利になるような。もう少し、開始時の所持金等でバランスを取る事も出来たような気がします。

プレイ時間の長さは欠点にもなり得ますが、今回は初プレイ。慣れて来て、他人の手番中に自分の行動を決定できるようになれば、プレイ時間は2時間を切るでしょう。しかし、欠点など微々たるもの。それ以上の壮大なロマンと満足感が欠点をかき消します。

このゲームが人気となり、海賊拡張や、船の性能拡張、上陸冒険拡張などが出ることを切に願ってやみません(後日談:出ましたね・・)。

船は着いてる、乗り遅れるな!!

購入先情報

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