レイルロードバロン

ビジネスは誰としても良いが、このゲームは紳士としかしてはいけない

メーカーLookout Games
発売年2010年
作者Helmut Ohley
プレイ人数2人用
対象年齢12歳以上

ゲーム概要

2010年にルックアウトゲームズから発売された2人用ゲーム「レイルロードバロン」。鉄道系ゲームの終着駅の2大巨頭の1つとして名高い「18XX系」ゲームの株式売買のみを取り出し、シンプルにしたゲーム。

ゲームには5つの持ち株会社が登場し、それぞれが株式と職員を持っています。

ゲーム中、鉄道会社を所有して利益を上げていくわけですが、あくまでも鉄道会社を所有するのは持ち株会社のお仕事。プレイヤーは持ち株会社の株を購入し、経営権を手に入れるだけです。ここがこのゲームの重要なコンセプトなのですが、プレイヤーと持ち株会社は別々に資産を管理するのです。

昨日まで自分のものであった会社が、次の日には相手の持ち物になっている可能性もあります。
まさに名言:

君の鉄道だって?とんでもない、これは得意先の皆さんの鉄道だ。

JPモルガン

の通りの世界観です。

歴代のルックアウトゲームズの箱絵がモチーフとなった紙幣と、鉄道会社カード。そして、各持ち株会社の株価を示すボード。

鉄道会社は低収益〜高収益の順にゲームに登場します。また、ある水準に達すると、昔の鉄道が陳腐化するという性質を持っています。持ち株会社は、利益をまわして次の投資に備えなえればならない仕様になっているわけです。

ゲームは2つのラウンドに分かれています。

ゲームのラウンド

① 持ち株会社の株を売買するラウンド
② 経営権を持つプレイヤーが、持ち株会社のアクションを行うラウンド

ある会社の株式が40%買われると、その会社の株価が決定する。

株を売買するラウンドで、ある会社の株式が40%以上購入される時、その会社の株価が決定されます。
購入者が決定権を持つのですが、懐事情と相談し、相手に買い増されないような値段を設定しなければなりません。株式の売買は交互に行っていき、双方がパスをしたら次のラウンドへ移行します。

ある会社の株式が50%以上市場に出回ると、その会社は設立されて資本金が発生する。

そして、ある持ち株会社の株式が50%以上市場に出回ると、その会社は設立されます。設立時の株価に応じて、その会社には資本金が与えられます。また、最多株式保有者は、その会社の経営権を持ちます。

経営権を持つプレイヤーは、2つめのラウンドで持ち株会社の運営を行なう。

会社の運営では、従業員を配置し、鉄道会社の購入や個人投資家の手配をしたり、得られた収入を配当として株主に分配するか、会社の運転資金とするかを選択できます。

個人投資家とは、ゲーム開始時にお互いが競りで購入する特殊能力のようなもので、基本的には持ち株会社に貼付けて利用します。鉄道会社の値段を安くできる…などのシンプルな能力です。

鉄道会社を買い増していく事によって、収益を大きくのばすことができる。

この収益を分配することを選択すると、その会社の株価が上昇します。逆に、経営権を持つプレイヤーが株を売却することを選択すると、株価が下落します。

分配ばかりをしていると会社が経営危機になってしまう。

そうすると、自分が優勢となっている持ち株会社では分配だけをやっていれば良いと思いがちですが、鉄道会社には次々に高収益のものが到来し、運転資金を確保しないと直ぐに経営が立ち行かなくなってしまいます。

何れか1つの株価が最高値に到達すると、ゲムー終了。

何れか1つの株価がMAXに到達すると、ゲーム終了です。この時点で株を清算し、所持金の多いプレイヤーの勝利となります。

経営権を複数持つと、持ち株会社間で融通が効くので、2社または3社の経営は必須です。

間違いやすいルール

1人のプレイヤーが購入できる株式は9枚まで



プレイ記

TBGL2人会にて。1戦やってルールを掴んだ後の2戦目。

まずは、個人投資家の競りが行われる。5人の中から4人を、カタン方式(プレイヤーA→B→B→Aの順で選ぶ)で競りにかけていく。

競りの方式は、競りにかけるプレイヤーが値段を設定し、もう一方のプレイヤーが個人投資家か、設定された金額を受け取るかを選ぶ。COQは、450$という大金を相手に与えることを選択し、最初から持ち株会社の経営権付き株券と鉄道会社を一枚貰えるという投資家を利用することにした。

こうして、緑の持ち株会社の経営権付き株券と収益50$の鉄道会社を手に入れる。40%の株券を受け取ることになるので、初期株価の設定を行う。

当然、最高額となる100$に設定。もう、40%持ってるわけだし。

緑の会社は、規模が大きく、従業員が沢山いる。従業員が沢山いるということは、管理できる鉄道会社の数が多く、高収益が狙えるということ。また、経営のアクションの順番が一番最初に巡ってくるというメリットもある。

対する相手は、緑の次に大きな黒の会社を設立。そして、COQが所有する緑の会社が走ってもかまわないように、同社の株式にも手をだしている。

要は株式数で上回ってれば良いのさ、ということで緑の株式を買える限り買い、経営には資本金をフル注入して利益を上げる。

これを殆ど配当に回し、所有株数に差のある相手と、手持ちの資金に差をつけていく。独走許すまじ、と相手が緑の株式を買い増しにくる。

そんな中、手に入れた資金を用い、COQは黄色の会社を設立。2つの会社のオーナーとなった。

2つの会社のオーナーとなったことにより、会社間の鉄道取引が可能となる。相手が緑の会社の株式を購入するのを見計らい、本音がバレない程度に鉄道会社を黄色の資産へと移動させる。

ザ・トンネル経営引き剥がし地獄。

散々配当を出し、株価がかなり上昇してきた緑の会社。株価はそのまま持ち株の資産価値を上昇させるので、負け時と黒の会社が追って来ている。しかし、COQには緑の会社をこれ以上成長させる気は無い。

手持ちの資金が貯まり、赤の会社を設立したのを皮切りに、緑の会社の資産を完全に引き剥がしにかかる。緑の最後の資本金をつぎ込んで購入した鉄道を、赤の会社が1$で購入する。

そして、緑の会社の株式を売却。経営権を手放して、株価も下げ、自分は売り抜ける。その資金を全て赤と黄色の株式へと注入。あとは赤と黄色の会社の収益と株価の上昇で、終盤まで突っ走るつもり。

ここで、鉄道会社の山札が尽きた。これ以降、新たな収益源は登場しない。

相手は3社を保有しているが、鉄道会社が少ない。なんとか保有会社の株価を上昇させて資産を増やす作戦。

黄色と赤の株価が追いすがる中、黒の株式がMAXへと到達し、ゲーム終了。

最終得点

COQ:16556$ 相手:9953$

初期資金が200$だったことを考えると、まさにアメリカンドリーム。

プレイ時間 120分



総評

Bronze

運の要素は全くない。

最初からゲーム終了まで、ガチガチの攻防が続く。それこそ、慣れてくれば手番順のアヤ一つが勝敗を左右するまでに発展しかねない。実力差がハッキリとでるタイプのゲームであり、苦手な人もいると思われるジャンルである。しかし、株ゲームに限って言うと、その面白さは、運の要素が介入しないと格段に上がる。そこに加わるテーマ、アートワーク、システム、そしてどちらが優勢なのか分かりそうでわからない工夫、これらが揃った時に傑作が生まれるのではないかと思う。株価がダイスで決まるゲームなんてやりたくない。

さてこのゲーム、箱の格好良さから18系から受け継いだバックグラウンドまで、テーマそしてアートワークに申し分はない。手番順が胃の痛くなるほどの制限を与える株式の購入や、プレイヤー間を行き来する経営権、どのタイミングで見限るかなど、序盤から中盤にかけての運営は、まさにプレイヤーの腕の見せどころであり、時間を忘れる面白さ。

ただし、終盤になると、流石にどちらが優勢かをお互いが把握してしまう。鉄道会社の陳腐化が、ある一定の時点で発生しなくなるので、以後のラウンドでは持ち株会社の資産に変動が発生しなくなってしまうのだ。それでも終了条件を満たすまで、ひたすら株価を上げていかなくてはならないので、この部分を少し冗長だと感じる。多人数プレイの18XX系ではこうはならないのかもしれないけれど、2人プレイの本作では勝敗が決した後の投了が必要だったかもしれない。

まぁ、この部分はビクトリーロードのようなもので、己が勝ちを知らしめる時間だったりもするのかもしれないいのでないとまた味気ないのかもしれないけど。個人的には、終了株価を300程度に下げたり、資産の移動が発生しなくなった時点で双方合意の元で残りのラウンドの収益を電卓で弾いた方が、スリリングなままゲームを終えられるのではないかと思う。そういう意味でそこまで流行らなかったゲームとなったのかも。

レイルロードバロンは18XX系の入門用としては良いと思う。レイルロードバロンは二人用なので、株の売買は相手への攻撃以外の何者でもないけど、複数人プレイの18XX系では、ある程度共存を目指すような展開もあるでしょう。プレイ時間がこれよりも長いので、沈んだ場合のやるせなさが恐ろしいですが、このゲームをプレイして自分に合いそうなら、18XX系は間違いなく面白いはず。

購入先情報

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