「プロジェクトL」3月下旬再販!
こんにちは。
いつもTBGLを見てくださり、ありがとうございます。
今回は、人気ゲーム「プロジェクトL」の再販と改訂版ルール、そしてルール改定に対応するためのプレイヤーマットの修正用シールについて書こうと思います。本作は、チェコのBoardcubatorというメーカーが発表した、ウボンゴのようなピースを使って拡大再生産ゲームを遊ぶという意欲作です。その名前の由来はL番目のプロジェクトで完成したゲームだからだとか。キックスターターを経由して発売されて以来、世界中で人気を博しているゲームです。日本では、ホビージャパン社が日本語を含む多言語版の供給元となっています。
日本でもこのゲームの人気は高く、初版が売り切れてから1年弱の間、品切れ状態が続いていました。しかし、遂に2022年3月下旬の再販が決まり、現在各ECサイトで予約が始まっては売り切れている状況です。
実は、多言語版発売前に大きなルール改訂があった?
世界中で人気を博したこのゲームですが、日本での発売は2021年の5月でした。しかし、実は2021年の4月に版元のBoardcubatorより大きなルール改訂の発表があったのです。このルール改訂はこのゲームをより戦略的に面白くする内容となっており、かなり評判が良いようです。しかし、日本で発売された多言語版にはこの改訂は反映されていませんでした。それには理由があるのですが、それは後述します。まずは、どのような改訂だったのか、改訂後のルールの内容を解説していきましょう。
基本ゲームの改訂箇所は主に5箇所+1箇所!
基本ゲームのルールで変更されたのは主に5箇所。実は6箇所目もあるのですが、ゲームに影響がないので気にしなくても大丈夫なやつです。
改訂箇所① パズルを取る:
パズルを取るアクションで、いずれかの列だけでなく、デッキの一番上から取れるようになった。
デッキの一番上のパズルで”トップデッキギャンブル”ができるようになりました。
改訂箇所② リサイクル:
新しいアクション「リサイクル」=いずれか1つの列に並んでいるすべてのパズルを対応するデッキの底に任意の順番で戻した後に、そのデッキの上から4枚をめくり、列を補充する。
この新しいアクションによって、パズルの刷新ができるようになりました。
改訂箇所③ 完成したパズルは裏向きに:
完成したパズルは自分の勝利ポイントパイルに”裏向き”に置きます。
ポイントが隠匿情報となりより戦略的なゲームになります。表向きで遊ぶヴァリアントも用意されています。
改訂箇所④ ゲーム終了の引き金後:
ゲーム終了の引き金が引かれた後は、手番中に取れる黒パズルは1枚まで。
手番順のあやでパズルが誰かに独り占めされてしまうことはなくなります。
改訂箇所⑤ 最終得点計算(未完成のパズル):
未完成のパズルは大きなマイナスポイントとなってしまいます。
改定後ルールでは、「最後の仕上げ」を実行した後でも未完成のままであるパズルはマイナスポイントとなることになりました。最後の仕上げで埋めたピース1つにつきマイナス1点のルールは変わりません。したがって、むやみに沢山のパズルを取ると大きなマイナスとなる恐れが出てきます。
これに加えて、改訂前のルールにもあったレベル1のピースをとるというアクションが、アップグレードの中に含まれました。しかし、実質的に変更はないので割愛しています。
わりと変更されていますよね?しかも、改定後のルールの方が面白そうです。
再販される「プロジェクトL」のルールはどうなる?
さて、それでは再販される多言語版のルールはどうなるのでしょうか。気になりますよね?この点を日本の供給元であるホビージャパン社に伺ってみたところ、回答をいただくことができました(神対応)。実は、「プロジェクトL」の版元はチェコのBoardcubator社ですが、ホビージャパン社はアスモデ社とのライセンス契約で多言語版を販売しているそうです。したがって、ライセンス元のアスモデ社がルールの改訂を実施してくれないと対応したくてもできないそうなのです。これで、色々な謎が解けましたね。したがって、残念ながら再販される「プロジェクトL」も従来の多言語版と同じルールが同梱されることになる予定です。改訂版のルールは同梱されません。
改訂版の日本語ルールを用意しました
そこで、版元のチェコのBoardcubator社に改訂版の日本語ルールの公開許可を申請したところ、日本のユーザーのために快諾していただくことができました。ファイルはプリンターフレンドリーの白背景バージョンと元のデザインに即した黒背景バージョンを用意しています。ダウンロードはこちらからどうぞ。その他、版元のウェブサイトではさらに3つのヴァリアントルールと5〜6人プレイ用ルールを公開しています。ご要望があれば、これらについても和訳するかもしれません。
プレイヤーマット修正用シール
このゲームで各自に配られるプレイヤーマットには選択できるアクションの説明文が記載されています。改定後のルールで遊ぶ場合にこの説明文が混乱を生む可能性があることから、改定後のルールを反映した説明文のシールで修正をした方が遊びやすくなると思います。今後またルール改訂があっても対応できるように、私ははがせるラベルシールに印刷して貼りました。
6人プレイをするには拡張が必要ですが、念のために6枚/シートにしてあります。
というわけで、今回は再販予定の「プロジェクトL」の再販と改訂版ルールについての話題でした。みなさんのボードゲームライフのお役に立つことを願って。ではー。