発売年 | 2017年 |
作者 | Heinz Meister |
プレイ人数 | 2-6人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
インスト1分で始められる見た事のない記憶ゲーム
『デジャブ』は既視感(以前に一度見たことがあるような感覚)を表すフランス語であることは日本では結構おなじみ。このゲームはその既視感を頼りにオブジェクトのタイルを早取りしていく記憶アクションゲームです。実に単純なゲームなのですが、既視感をうまく利用したシステムが秀逸で、オブジェクトの形にも工夫が凝らされている良作です。
オブジェクトは必ず2回現れる!
少しサイズの大きめの山札のカードをめくっていくと、そこにはオブジェクトが1〜3個の組み合わせで描かれています。実はこのカード、すべてめくると必ず全オブジェクトが2回現れるようになっているのです。ゲームは単純、山札の周りにオブジェクトのタイルを散りばめ、山札を1枚ずつめくっていきます。そうして、2回目に現れたオブジェクトを早い者勝ちで取っていきます。
見たような、見ていないような
全員が既視感を頼りにタイルを取っていきますが、1回しか出てきていないオブジェクトを取得してしまったプレイヤーはそれが判明した時点でゲームから脱落してしまいます。このゲームの秀逸なポイントは、山札をめくることで既視感を取り違えた、すなわち1回しか出てきていないオブジェクトを取ってしまったプレイヤーを炙り出すこともできる点です。今、まさにめくったカードに記載されているオブジェクトを誰かが取得していたら、それは1回しか出てきていないオブジェクトを間違えて取ってしまったことを意味しており、即脱落となるのです。中々タイルに手が出ない緊張感が楽しめます。
絶妙に取り違えるオブジェクトたち
合計41個あるオブジェクトたちですが、これが絶妙に覚えにくいように工夫されています。写真を見ていただくとわかる通り、似ているオブジェクトが必ず混じっているのです。特に縞模様のオブジェクトは咄嗟の判別がつきにくく、ゲームを盛り上げます。
最後の審判:3枚のカード
山札をすべてめくると全オブジェクトが必ず2回現れると書きましたが、実はゲーム開始時にカードを3枚抜いておきます。こうすることで幾つかのオブジェクトが2回現れなくなります。もちろん、これを取得してしまっていても脱落です。ゲーム終了時にこの3枚を確認していき、ここに描かれているオブジェクトを持っているプレイヤーがいたら即脱落します。最後まで気を抜けないとても良い工夫だと思います。
生き残ったプレイヤーの中で最も多くのオブジェクトを取得していたプレイヤーが勝利します。
総評
Silver
デジャブ(既視感)を見事にシステムに落とし込んだ秀逸なメモリーアクションゲームです。絵柄もポップで万人ウケしますし、随所に工夫を凝らしていながらも超短時間のルール説明で簡単に遊ぶことができるこのゲームは”こんなゲームが世の中にあったのか”という感動を与える作品の一つだと思います。かくいう筆者もボードゲームカフェで遊ばせてもらってすぐ購入しました。子供でも大人と遜色なく(むしろ得意)遊べるのでファミリーパーティの手土産などにも良いと思います。
実はこのゲームの真価が発揮されるのは2回目以降です。同じ日に複数回遊ぶと、既視感がもれなく狂ってきます。今のセッションか1つ前のセッションかの区別が回を重ねるごとにわからなくなっていきます。次第にゲーム終了時に場に残るタイルの数が増えていくのがその証拠です。
ゲーム会のフィラー(隙間を埋めるゲーム)としても優秀です。遊んだことのない方はどこかで見つけたら是非遊んでみてください。数あるメモリーゲームの中でもこのゲームのルールには既視感がない筈です。