フォーミュラD

Get ready to push your engine !!

メーカーAsmodee
発売年2008年
作者L Lavaur, E Randall
プレイ人数2-10人用
対象年齢8歳以上

ゲーム概要

ロマン溢れる10人用モータースポーツ

F1を題材にしたレースゲームの代表格『フォーミュラD』です。Asmodee社が「Formula DE」を2008年にリメイクして生まれました。元のゲームも名作として名高く、数々の追加マップが発売されています。しかし、評価では新版も負けておらずBGGでは新版の方がポイントが高くなっています。2022年には新機軸のレースゲームとして「ヒート」が発表されており、ボードゲームシーンでもモータースポーツが熱くなっています。

出典:ボードゲームギーク

新版(本作)/旧版(Formula DE)のルールには殆ど違いがありません。新版ではコンポーネントの充実や、新レース(公道レース)の追加という改良が図られています。ゲームの目的は当然、誰よりも早くゴールすることです。車の移動はダイスによって行います。平たく言えばスゴロクゲームの一種です。

初級ルールと上級ルール

ゲームには、初級と上級のルールが付属しています。初級では、単純にHPみたいなパラメータのみでレースをします。上級では、タイヤ/ボディ/サス等、細分化されたパラメータを使用します。また、天候やテクニカルピットストップ等の要素も絡んできます。

超巨大なボードで繰り広げられるレース

こちらがF1側のボード全景。モナコサーキットです。大きさが伝わりずらいかもしれませんが、6つ折りのボードを2枚も使用しており超巨大です。コースが十分に大きいので、ストレートで気持ちよくエンジンの伸びを感じることができます。

F1カーとGTカーの駒。チーム戦も出来る様に、各色2つずつ用意されています。所謂ウィリアムズカラーが無いことだけが悔やまれます。

新版でUGされたコンポーネント

こちらは個人用のギアボックス(左:上級用、右:初級用)。左側のシフトでギアをコントロールし、右側の各パラメータに気をつけながらレースに挑みます。これが、10人分も付属しており、圧巻です。(ちなみに、旧版ではこれをメモ帳で代用していたようです。)

基本ルールでは、ドライバーカードに示された初期値でゲームを進めます。特別ルールで、合計20ポイントを各パラメータに割り振るセッティングルールを採用することもできます。各ギアの隣りに書かれた数字は移動可能距離です。

プレイヤーは手番で、ギアを1段階上げるか4段階まで下げるかを決定し、ギアに対応したダイスを振ります。1速では最大2しか進めませんが、6速では21〜30も進めます。コースがでかいので、ギアを上げた時の疾走感が半端ありません。(ギアを一気に下げると車にダメージが残ります。)

コーナリングの特徴

ただし、かっ飛ばしてばかりはいられません。コーナーには、最低止まらなければならない回数が黄色で示されています。この規定を守らないと、タイヤが摩耗したり、最悪クラッシュもあり得ます。ボードゲームのモータースポーツといえば、コーナリングのシステムが重要です。その点、本作のルールはとてもよくできていますね。

拡大すると非常に美しい

緑と赤の表示は、このコーナーを抜ける最短距離です。これを加味してギアチェンジを行わなければいけません。通常、車線変更は2レーンまで認められています。カーブでは車線変更の方向にも制限があるのでこちらも注意です。

レースゲームならではの、他人との絡みもタップリあります。車が接近した時には恐怖の黒ダイスで接触判定。接触していれば、ボディが吹き飛びます(!)。

ピットもスリップストリームも再現

後ろにピッタリとつければ、スリップストリームのチャンス。後ろにつけたプレイヤーはマシンを3マス余分に進めることができます。しかも、この動作は連鎖させることができるので、密集状態は逆にチャンスでもあります。

ピットストップもちゃんとあるのが凄いところです。前が詰まっていればピット渋滞も起こりえます。クルーの作業がうまく行けばスピードにのってコースに復帰できるようになっています。天候に合わせたタイヤ交換をできるようになるルールもあります。ハードタイヤは雨で滅茶苦茶滑ります。ピットでダメージ部分を修理するテクニカルピットルールもあります。

5速と6速にはペナルティがあり、エンジンが回りすぎるとブローを起こし、ダメージが残ります。車にダメージが残る事態が発生すると、コース上にパーツがばらまかれ、障害となります。そこに後続が突っ込めば、さらなる被害が起こるのです。

ライン取りの重要さも実装

実は車線変更時、追い抜きを除いて同じラインに戻ることは許されていません。従って、ハザード地帯が広がると、コーナーでのライン取りは結構難しくなります。先行車もそれを利用して邪魔をするライン取りが重要。ブレーキを使用させ、パラメータにダメージを与える事ができると勝利はグッと近くなります。

通常、スターティンググリッドはダイスで判定します。しかし、特別ルールにはストップウォッチと手数を利用したタイムアタックシステムも用意されています。

最上級のルールを使用すれば、異なる天候の予選と本戦のセッティングに頭を悩ませ、タイムアタックの順にスターティンググリッドに並ぶ展開もあります。ギアをマニュアルで操作する感覚が凄くうまく表現されているレースゲームです。

総評

Bronze

所詮スゴロクといえばそれまでなのですが、手を抜かずに色々な要素を絡めていることで、F1レースのをうまく表現しているゲームだと思います。

レースゲームと言えば「アベカエサル」が有名ですが、6速までうまくギアを上げる事ができれば、アベカエサルには無い疾走感を存分に味わえます。そして、コーナーでの停止ルールや、コースの広さ、ライン取りの重要さがうまく作用して、レースの窮屈感も一緒に味わうことができます。

最大10人というプレイ人数がうれしいです。アベカエサルもそうですが、この手のゲームはある程度人数が揃った方が面白いです。ただし、人数が増えた分だけプレイ時間も伸びるので注意してください。

ところで、このゲームには旧版「フォーミュラDE」には無いGTカーの要素が追加されています。

裏面は市街地のマップとなっており、警察署や住民に発砲される危険地帯、トンネルなどの障害物がひしめくテクニカルコースをドライビングできる様になっています。さらに、ドライバーは個性溢れる11人の中から選択可能です。それぞれのドライバーは特殊能力を持っており、バラエティに富んだレースが楽しめます。こちらの側は誰かが大破してゲームが終わる事も多いです。

新版にも製品版の拡張セットが出ており、こちらには4つのコースが付属しています。BGGには、ファンの手による世界中のコースのファイルがアップロードされているようです。

購入先情報

Bronze
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The Board Game Laboratory – Rebooted!!
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