ペンギンの国でパーティです。冷えた飲み物に新鮮な魚、そしてペンギンのピラミッド
メーカー | Amigo |
発売年 | 2008年 |
作者 | Reiner Knizia |
プレイ人数 | 2-6人用 |
対象年齢 | 6歳以上 |
ゲーム概要
初心者におすすめNo.1のクニチー
少し前にSNSで「初心者にお勧めするクニチーのゲームは何か」というアンケートで『ペンギンパーティ』はNo.1の栄冠に輝きました。初心者にお勧めするということは、「シンプルなルールでクニツィアジレンマが楽しめる」と多くのゲーム愛好家が認めている作品ということだと思います。
本作は何度も再販されており、様々なバージョンが存在しています。それゆえテーマのフレーバーがバージョンによって少し異なるようですが、ゲームの目的は共通で、「手札のペンギンをなるべく沢山場に出すこと」です。手札はピラミッド状に出していくのですが、筆者が所有しているバージョンでは『ペンギンの国でパーティが開かれ、メインイベントのペンギンピラミッドの時間がやってきました』というフレーバーがついています。
ペンギンパーティのメインイベント:ペンギンピラミッド
ペンギンピラミッドは、各プレイヤーが手札からペンギンカードを1枚ずつ出すことによって完成していきます。ペンギンカードは5種類、各7〜8枚ずつあります。
各ラウンドの最初に、ペンギンカードを全員に同じ枚数ずつ配り、スタートプレイヤーからペンギンカードを以下のルールに従って出していきます。
こうして、ペンギンピラミッドを作成していき、手札に出せるカードが無くなった時点でそのプレイヤーは脱落します。手札に残った枚数と同じ点数の減点チップを受け取ります。
最初はどの色も制限なく出していくことができますが、2段目以降は土台となっている色のどちらかの色のカードしか出せないため、次第に出せる色が減っていきます。自分の手札に残っている色のカードが出せなくならないようにコントロールしていかなくてはなりません。
手札をすべて出し切ることに成功したプレイヤーは、減点チップを2点分ストックに戻す事ができます。こうしてプレイヤー人数と同じ回数のラウンドを行って、減点の最も少ないプレイヤーが勝利します。
ルールの日本語訳を公開していますのでこちらからどうぞ。
2人用ルールもあります
このゲームを2人で遊ぶ場合のために2人用のルールも付属しています。2人用ルールでは、14枚ずつカードを配ります。残りのカードは伏せて横に置いておきます(このラウンドでは使用しません)。最下段のカードの枚数を7枚とします。それ以外のルールは変わりません(ピラミッドは7段となります)。
プレイ記
5歳児シュウ、AMIと3人プレイ
そろそろクニツィアのゲームも遊べる年頃になってきたということで雨の降った日曜日にこれを遊んでみることにした。ルールは非常に簡単で5歳児は一度も質問をすることなく完全にルールを把握したようだ。論理的なクニチーのゲームの中でも本作は特に直感的にわかりやすいルールである。
ゲームが開始したらまずは手札をソートして手札にない色を探す。手札にない色は自分以外のプレイヤーがたくさん持っているということなので積極的に抹殺して良い。それ以外は、基本的に自分の手札に残ってる色が途絶えないように出していく必要がある。最初のうちは、手札に多い色を出していくのがセオリーだ。
3人以上では手札が配り切りとなるのでどの色があと何枚あるかは数えればわかるようになっている。「ここは自分がやらなくても他のプレイヤーが色を途絶えさせないためになんとかしてくれるだろう」という読みができる。これが面白い。そして、中〜終盤となってくると次第に選択肢が狭まり、どちらの色を優先的に出していくかというジレンマを感じることができる。
そして、自分の手札からある色のカードを出し切ることができたら、次はこの色のルートの断絶である。これを5歳児がやってのけ、いい大人の絶叫がこだまする。何度も絶叫するAMIを見かねて5歳児がそっと耳打ち。
ホントは内緒なんだけど、手札を色分けしておくといいよ
!
誰から教えられるでもなく自分なりに勝ち筋を確保する方法を見出している子供の学習能力に驚きを隠せないが、正にこのゲームで勝つためには「まだピラミッドに出すことのできる色」そしてその色の「全体のカード枚数」および「手札のカード枚数」を注意深く比較することが必要だ。
3ラウンドを2回遊び、結局6ラウンド累計の点数は:
となり、5歳児と1ポイント差の接戦であった。
プレイ時間30分
総評
Silver
流石、日本のゲーム愛好家諸氏が「初心者に薦めるクニツィア」の1位に選出したゲーム。シンプルなルールでちゃんとクニツィアジレンマが楽しめます。
5歳児と一緒に遊びながら、大人も本気でゲームを遊ぶことができてとても楽しかったです。結果として6ラウンドで1点しか差がつかなかったことからも白熱した勝負が展開されたことがうかがえます。
本来、ドイツゲームはファミリーで楽しむことが前提です。その点、本作は「ルールはシンプルで誰もが楽しい時間を過ごせる」というユーロゲームの真髄と言えるゲームです。初心者に薦めるクニツィアとして『My first Knizia』のロゴを箱に印刷していただきたいですね。
慣れてくると、相手のカードの置き方から相手の思惑と手札を読めるようになってきます。そうなった時、1レベル上のプレイを楽しめるのもこのゲームの良いところだと思います。
5人でプレイした時にも、爽快で悩ましいプレイ感にはあまり違いがありませんでした。展開が読みやすい分、3人の方がゲーム的な面白さは勝るかもしれません。2人プレイではカードがランダムに抜き取られるために多人数プレイと同様にカードを完全に把握することができず、これも悪くないです。6人まで遊べるのでゲーム会のフィラーとしても優秀でしょう。
余談ですが、このゲームは発売直後に1箱2ユーロで投げ売られていたことがあり、筆者はそれをたくさん購入して名刺がわりに配っていた時期があります。今このゲームの面白さが再認識されており、当時配っていたアミーゴ版が高騰しています。保管しておいたら今頃億万長者でした。