サマルカンド

常軌を逸した結婚の時代

発売年2010年
作者John Bohrer
プレイ人数2-5人用
対象年齢8歳以上

ゲーム概要

シルクロードでルートビルド

似たような名前のゲームが幾つか存在しますが、ここで紹介するのはクイーンゲームズの『サマルカンド』です。作者はなんと、蒸気の時代のデザイナーであることでも知られるJohn Bohrerです。プレイヤーはシルクロードに散らばる部族達と婚姻関係を結んで友好を深め、交易路を拡大(ルートビルド)して勝利を目指します。すべて木製のラクダ駒など、コンポーネントが豪華です。

出典:BGG

ラクダで繋いで政略結婚

ゲームボードには、シルクロードの全景が描かれており、各地に部族の宮殿があります。それぞれの部族はボードの両端にラクダと婚姻タイル(2つ)、そして友好タイル(5つ)を持っています。また、婚姻には上納金が必要で、ボード中心部にある部族ほど、高くなっています。

 プレイヤーは自分の手番で、以下のどちらかを行います:
 1.婚姻タイルが残っている部族に上納金を支払い、婚姻関係を結ぶ。
 2.婚姻関係を結んだ部族のラクダ駒を1〜2個配置し、交易路を拡大する。

婚姻関係を結んだ時に納めたお金は、部族のお金として各部族のラクダストックの隣に積み上げられます。また、ラクダを置く場合、1個は無償で、もう一個は部族のお金を消費して配置することになります。ラクダは1マスに2つまで置けます。最終的に勝利点を沢山稼いだ人が、ゲームの勝者になるわけですが、勝利点を稼ぐ方法は3つあります。このゲームではお金=勝利点です(お金1=勝利点1)。

実は鉄道系ゲーム

得点方法の1つ目は、交易路を延ばして他部族のラクダの置かれているマスに自分の部族のラクダを置く(友好関係を結ばせる)こと。この時、その部族同士の友好関係が初めてであると、友好関係を結びに行った部族と結ばれた部族のプレイヤーにそれぞれお金が支払われます。結びに行った部族は結ばれた部族よりも3倍のお金を貰えるところがポイントです。さらに、友好関係を結ばせたプレイヤーは友好関係になった部族両方の友好タイルを1つずつ獲得できます(1個1点)。

2つ目の方法は、各地に散らばる特産品を集めることです。ボード上の各地に商品タイルが置かれています。このマスにラクダを置くと、特産品を獲得できます(1個1点)。

3つ目の方法は、商品カードを使用した得点方法です。各プレイヤーは婚姻関係を結ぶ際、商品カードを手に入れます。これにはそれぞれの特産品が描かれており、その特産品が誰かに獲得された際に公開することによって得点する事ができます。また、公開しないで持っておいても得点することができます。ゲーム終了時に自分の部族がその特産品の産地にラクダを置いていると、得点が入るのです。

ゲームの概要はこんな感じです。商品カードは、部族が到達していなくても、マイナス点にはなりませんが、ゲーム中最大6枚までしか持てないので、取捨選択が重要です!

実はこのゲーム、元は鉄道輸送ゲームとしてデザインされたものがテーマ変更されたのです。

プレイ記

あしかさん、ほーまるさん、笠さん、じょーさんと5人プレイ。

このゲームの終了条件は2つ。どこかの部族の友好タイルが全てなくなるか、全ての部族がどこかの部族と友好関係を結ぶか。友好タイルは各部族5枚ずつあるが、一番上のタイルだけ背景が黒い。点数は変わらないが、友好関係を結んだことがあるかどうかの目印になるようになっている。

かなりの駒の数なので、初期配置には時間がかかる。いくつか男性のタイルがあるが、すべての部族で両面に男性と女性の顔が書かれているユニセックス仕様。最初はどこかの部族と婚姻関係を結ばないとラクダを置く事もできないので、とりあえず結婚相手を探す。

しかし!ここで大きな問題。好みの娘がいない。仕方なく「恐らく交易路はボード中心部に集中するだろう」と打算的に青のTigirisの娘を娶る。そういえば、ボード中心部の部族は、他と比べて上納金が少し高い。やっぱり有利なんだろう。その後、心を鬼にしてオレンジのByzanz、緑のAgyptenとの結納を進める。そして、当初の読み通り、交易路は中心部に集中し、次々に友好関係が結ばれて金貨がざくざくと手に入る。

しかし、一つ誤算だったのは、ほーまるさんが、自分とまったく同じ部族と婚姻を結んでいた事。部族の婚姻タイルは2つずつしかないので、3つすべての婚姻が被るということは滅多に無い事だと思うのだが、女性の趣味が被ったのか、戦略が被ったのか。このままだと、こちらの1手1手がほーまるさんの利益に繋がってしまう。

悩んだ末、手持ちの商品カードが茶色のArab周辺の特産品に固まっていたこともあり、全部族の中で一番の美人と婚姻関係を結ぶ事を決断。4重婚での勝利を目指します。

他のプレイヤーが中心部でデッドヒートを繰り広げている間に、地道に茶色の交易路を拡大して、自分の商品カードの特産地にArabのラクダを送り込む日々。ゲーム終了時の決算が楽しみだ。ただ、一つ心配なのは、何となく婚姻してしまった、オレンジ。辺境の部族のため、中々交易路が伸びない。同じく婚姻したほーまるさんが延ばそうと思ったマスを他のラクダが占拠してしまい、迷走するオレンジラクダ。

ゲーム中に気付いたのだが、5人プレイだと、かなりゲームの進行が早くて沢山の部族と婚姻関係を結んでもそれぞれのケアをするだけの時間がないあ。そして、サマリーカードにもしつこいくらいに書いてあるように、お金=勝利点なので、むやみな婚姻関係は上納金の分だけ勝利点を浪費することになる。

この中で、3つの部族と婚姻しているのがほーまるさん。それ以外のプレイヤーは全員4つの部族と婚姻。これはやばい。

結局黄色が5回目の友好関係を構築し、友好タイルが枯渇して終了。辺境の部族にはあまり手が付けられずに終了した。最終得点計算をした結果、やはりほーまるさんが勝利。COQは4回目の婚姻上納金の分だけ勝利点が足らず敗北である。

プレイ時間、60分

総評

Bronze

豪華なコンポーネントも相まって、なかなか雰囲気のでているゲームです。木製ラクダがいい感じ。当初は、鉄道輸送系のゲームとしてデザインされたというだけあって鉄道で荷物を運ぶゲームになってもしっくりきそうです。ゲームは案外さくさく進み、やりたい事が沢山あるのに、なかなか全てはやらせてもらえないのも良いところ。

今回は5人プレイだったので、部族のお金がつきる事はありませんでした。結局、友好関係を結びに行った方が得なので、1手番で友好関係を結べない2マス離れた場所でにらみ合いをすることになります。しかし、3人プレイの時は部族のお金がカツカツの場合があるので、近づきたいけど金がないというジレンマが発生して2重に考えどころがありました。

残念な点としては、用意されているお金が、5人プレイでは少し足りず、何度も両替をすることになってしまったところです。これらを総合すると、3〜4人くらいがベストなのかもしれませんね。しかし、テンポも良く、なかなか良いゲームだと思いました。これで、イラストの女性がもう少し好みならなおよかった。

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