フォレショレ

人生は椅子取りゲーム

メーカーKOSMOS
発売年2011年
作者Martin Wallace
プレイ人数3-4人用
対象年齢8歳以上

ゲーム概要

ワレスのマストフォロー競りゲーム

2023年、時を超えて日本語版発売の情報が発信されているMartin Wallace作の『フォレショレ』です。フォレショレはドイツの魚料理の名前ですが、本作のネーミングとしてどのような意味が込められているのかは謎です。ゲームではペンギンを多く捕まえて”ペンギン点”を獲得することを目指しますが、ペンギンと同じ数だけ”流氷”が必要なため、これらを手に入れる競りへの力の入れどころが肝心なゲームです。一回の競りにカードを使いすぎると手札が減少していき、どんどんプレイが厳しくなっていきます。

サドンデス終了までに、ペンギンをとるか流氷をとるか

ゲームでは、手札に5色(ランク1〜5)およびワイルド(ランク2)のペンギンカードを持ち、毎ラウンド1枚ずつ公開される流氷カード(1枚に流氷が2〜10個)を手番順に競り上げていきます。最後まで残ったプレイヤーは流氷カードを手に入れることができますが、競りに使用したペンギンカードは捨て札となってしまいます。一方、競りに負けたプレイヤーは、それまでにプレイしていたペンギンカードを保持してペンギン点(ランク数の合計)を獲得することができます。手に入れたカードは全て裏向きにして内容を覚えておきます。

ゲーム終了時に、流氷数と同数までのペンギン点が得点となり、流氷数が足りない分のペンギン点の2倍がマイナス点となります。獲得したペンギンが流氷で椅子取りゲームをするようなイメージです。

流氷点が20点、ペンギン点が15点なので得点は15点

ゲームは流氷カードの山札の底5枚のいずれかに潜んでいる「流氷が溶け出した」カードが公開されると即座に終了するため、流氷カードを手に入れるのか、競りから降りてペンギン点を確保するのかのタイミングが悩ましいです。

デッキの底5枚のうちいずれかが終了カード

競りはマストフォロー

競りはリードのプレイヤーの切り出し(最初のみ1枚)で始まります。以降のプレイヤーは、リードのプレイヤーの切り出した色をフォローするように、カードを1枚以上出して合計を場の最高値にしなければなりません。競りゲームですが、少しトリテ感のあるゲームです。カードを出したくない/出せないプレイヤーはパスをして競りを降ります。

青が切り出されているので青で競り上げる必要がある

リードプレイヤーの切り出しが1枚に限定されているため、以降のプレイヤーは降りるつもりでも幾分カードが出せる(そして、ペンギン点を確保できる)良い調整となっています。

手札が減っていく苦しさがワレス

手札の初期枚数は12枚からスタートしていきますが、3枚以上のカードをプレイしてもラウンドごとのカード補充では最大2枚までしか補充されません。競りに熱くなりすぎると手札が段々と減ってしまい、プレイがとても苦しくなっていくのが特徴です。

プレイ記

スバルさん、KASANARIさん、カイさんと4人プレイ。3〜4人プレイのみと少し使い勝手の悪いカードゲームだが、再販の情報を見て久々に遊んでみた。

第一ラウンド、緑色の高ランクカードが被っていたので切り出していくが、序盤ということで周りもそこそこ追随してくる。なんとか8の流氷カードを手に入れたものの、あっという間に手札が8枚程度になってしまう。すると、このとき唯一しゃがんでいたスバルさんが、さらに緑色で切り出してくる。

スバル
スバル

世の中に緑色がないんじゃないかと思って!

これが正統派の攻め方である。もちろん、捨て札は循環するためにまた復活する分もあるが、流通している(今それぞれの手札にある)色を予測しながら、補充可能な2枚までで競りを制しきれる色を切り出すのである。まさにトリテライクな思考。しかし、単なる運でCOQの手札にはまだ緑色のハイランクが残存しており、10の流氷カードをゲット。

ここからは、ひたすらペンギンカードを少しプレイして競りから降り、ペンギン点をためていくプレイに徹する。そして終盤、そろそろゲーム終了が見えてきた山札残り5枚の時点で最後の手札を投入して流氷カードを競り落としたところでゲームセット。結局椅子取りゲームの椅子(流氷)を余らせてしまった。

最終得点

COQ:24 カイ:23 スバル:19 KASANARI:10

プレイ時間20分

総評

Bronze

よくできたカードゲーム。ペンギンを確保するか、流氷を確保するかに加えて、手札の枚数にも気を使わなければならないので、勝負どころ(手札を掛けても流氷を獲得するタイミング)を計るのが肝です。このタイミングを他人とずらし、場に流通しているカードの色を把握することで勝利に近づけそうです。

獲得したカードを裏向きで保持しなくてはならないため、若干のメモリー要素があることと、場のカードの色を大体把握するためにも少しメモリーが必要です。最終得点に向けてカードをメモリーしておく要素は使い古されたメカニクスであり、若干古さを感じますね。

テーマは日本人が大好きなペンギンですが、独特の風刺画のようなアートは「ビュッフェの戦い」でもコンビを組んでいたUli Steinが担当しています。筆者は結構好きですけど、日本人ウケがあまり良くないので、日本語版のアートが柔らかめに変更されるのは良い調整なのだと思います。

購入先情報

2023年日本語版発売予定。

Bronze
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The Board Game Laboratory – Rebooted!!
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