ウェーブレングス

発売年2019年
作者Alex H, Justin V, Wolfgang W.
プレイ人数2-12人用
対象年齢14歳以上

ゲーム概要

ゲームで知る、あの人の意外な価値観!

歳を重ねると「人は想いを共有したい動物であるが、真にわかり合ったかどうかを知るすべはこの世に存在しない」という大いなる真理に辿り着きがちです。それゆえ、人々はわかり合うための行動に執心するし、その関係は時に脆く崩れ去るのです。逆に言えば、人と人の想いの共有の確度を上げれば僕たちはもっと仲良くできる!ということです。

前置きはここまで、この『ウェーブレングス』というゲームは、チームメンバーの波長(=価値観)を読み取り、相手の考え方に少しでも歩み寄ることを試みるゲームです。なんと、デザイナーの一角にはあの「クアックサルバー」を代表作とするWolfgang Warschの名前があるのですが、日本ではあまり話題にならず、しばらくの間、某密林系のECサイトで投げ売られていました。これは、モダンアートのような独特の箱絵がウケなかったせいかもしれないのですが、実はこのゲームはチームビルディングにうってつけの良作なのです。コミュニケーションゲームには殆ど食指を動かさない筆者ですが、このゲームには可能性を感じたので紹介していきたいと思います。

箱絵があまり面白そうに見えない!

波長を読み取るサイキッカー

このゲームでは、2つのチームに分かれて点数を競い合います。ギザギザのホイールを回すと、付属のカードに記載された両極端のお題に対して、ターゲットがランダムに決定されます。このターゲットを本作の特徴である巨大ホイールに付属した赤いダイヤルのギミックで予測のしていくのですが、ホイールにはカバーが付いているので誰もターゲットの位置を知ることができません。

お題は「でこぼこ」と「すべすべ」

そこで、手番のチームのうちの一人がヒントの出題者(サイキッカー:超能力者)となり、秘密裏にこのターゲットを見ます。ターゲットは、必ず両極端のお題の間のどこかにあります。サイキッカーは、他のチームメンバーがこのターゲット位置を予測できるようなヒントを出すわけです。ヒントを聞いたチームは皆で相談し、赤いダイヤルを使ってターゲットを予測します。

その後、カバーを回転させて取り除き、全員でターゲットを確認します。中心にダイヤルを合わすことができていれば4点、中心から外れるごとに点数が低くなっていきます。一方、対戦相手チームもターゲットを確認する前に予測をしておきます。対戦相手チームは手番のチームの予測が下ブレするか上ブレするかを予測しておき、ブレた方向が的中すれば1点獲得できます。

4点がターゲット

こうして、交互に手番を行なっていき、規定の点数に先に達したチームが勝利します。手番が変わるごとにお題のカードが入れ替えられるので、お題のカードは使いきれないほどたくさん用意されています。

お題のみなさん(上級お題も含めてかなりの数が用意されています)

例えば、「簡単に見つかる」⇄「よく紛失する」のよく紛失する側80%ぐらいのところにあるターゲットに対して、ヒントを出すサイキッカーが「家の鍵」というヒントを出すわけです。

プレイ記

筆者が属する、ボードゲームとは関係のない10人程度のコミュニティでチームビルディング(チームが円滑に動けるようにお互いの理解度を深めてチームの結束を高める活動)の役目を仰せつかった。そこで用意したのが本作である。12人まで遊べる(多分それ以上でもあまり問題はない)のはとてもありがたい。

当日に先立ち、お題は先に選択しておくことにした。タブーとなる可能性のあるヒント、すなわち宗教的になりそうなものや、国を跨ぐ価値観となりそうなものが当日出てこないように調整した方がより安全と考えた。それでいて、最初のいくつかはキャッチーな、誰でもイメージできるようなお題が良い。

序盤では「おにぎりの具」のようなお題から始め、コミュニティのカテゴリに合いそうなお題(今回は学術的なコミュニティであったので、専攻科目を入れたりした)を挟み、最後に少し際どい質問を混ぜていく。

結果、チームビルディングは大いに盛り上がり、後日ご褒美をいただいた。ありがとう、ボードゲーム!

プレイ時間30分

総評

Bronze

非常に良くできたコミュニケーションゲームだと思います。自然と相手の価値観を予測しあい、知ろうとすることができますし、思いもよらなかった相手と価値観が近かったりする驚きを提供してくれます。箱を使ったゲームのギミックもよくできており、この一箱でよく知らない人同士も仲良くなれちゃいますし、親戚同士で遊んでも面白いです。少し硬い集まりのチームビルディングやアイスブレイクなどでも活躍しそうです。対戦でなく、協力モードで遊ぶこともできます。

得点マーカー

箱のデザインが面白くなさそう(筆者の個人的な見解)なので、これまでも手に取るチャンスはあったのですが、スルーしていました。お題の関係で断然日本語版をお勧めします。特に、ボードゲームを普段遊ばない方々と遊ぶときに重宝します。おすすめのパーティゲームです。

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