Short Review
古代フェルトの新しいゲーム
メーカー | Pegasus Spiele |
発売年 | 2011年 |
作者 | Stefan Feld |
プレイ人数 | 3-5人用 |
対象年齢 | 12歳以上 |
ゲーム概要
2011年のエッセンで発表された、フェルト作の「ストラスブール」。各自平等に用意された影響力カードのデッキから、各ラウンド任意の枚数をめくってギルドの議席と町への駒の配置を争うゲーム。箱絵の斬新な紫色が毒々しいのですが、内容は王道のドイツゲームの味わい。
ゲームの特徴は、各自のデッキからめくったカードを好きに組み合わせて行うギルド議席の競り。カードにはいくつかの影響力が書かれており、今回のラウンドの競りで使いたい数値に達するまで任意に引く事が出来ます。それを事前に幾つかの組に分けておき、競りに突っ込むわけです。ここにはストッパーが無く、調子に乗って手札を増やし過ぎるとデッキが枯渇して以降のラウンドで全く何も出来なくなるという大人のゲームとなっています。
プレイヤー任せのシステムといい、議席を獲得して街に駒を配置するエリアコントロール的風味といい、少し古典的ゲームのエッセンスを感じる出来です。
ゲーム中は、ゲーム開始時に配られる目標カードの中から選択した挑戦目標を目指すことになります。駒を配置するエリア指定や個数指定など、難易度によって点数が違うようです。目標カードの条件は全てのラウンドで駒を置く必要があるなどとてもシビアで、達成するためには競りで一瞬の油断も許されないというギリギリのバランス。
ただ、よくよく目標カードを見比べると、あまり目標間でバッティングしている要素はなさそうな印象です。逆に言うと、目標カードでそれぞれの狙いが散けるようになっているような印象です。各ラウンドで目的の競りを成功させ、駒を配置する事は重要ですが、本当にそのギルドでの配置がマストなプレイヤーは案外多くないのです。なので、プレイ中の本人はギリギリのバランスの中を抜けたような気分ですが、それはデザイナーの手の上の出来事なのかもしれません。
ゲーム終了時に目標カードを公開し、達成できなかった分はマイナスとなってしまいます。
総評
Bronze
自分がプレイした時は、目標カードの点数はとても重要で、開始時に配られる目標カード全てを達成したプレイヤーが勝利するような得点配分でした。つまり、配られた目標カードには全てチャレンジせざるを得ない状況でした。しかし、目的カードのバランスが少し悪く、「同時に達成できないようなカード」を配られてしまったプレイヤーにはなす術が無いように感じました。
シビアな競りから駒の配置までのゲームの骨子は定番になれるだけの魅力を持っていると思いましたので、目標カードのバランスが良ければ傑作の部類に入ったかもしれません。
世間の評判は悪くないみたいなので、目標カードを少なめに選択して、波に乗っているプレイヤーを邪魔する事でも勝利することが出来るのかもしれません。そういえば、フェルト作のゲームで唯一手放しました。