ザ シティ

銀河の狭間に消えた、軽量級拡大再生産

メーカーAmigo
発売年2011年
作者Thomas Lehmann
プレイ人数2-5人用
対象年齢10歳以上

ゲーム概要

アミーゴのカードゲーム「ザ・シティ」です。カードをマネジメントして自分の街をつくります。レースフォーザギャラクシーなどで有名なトム・レーマンが実は作っていた軽量級の拡大再生産カードゲームです。カードは建物であり、お金でもあるというサンファン的ルール。

コンポーネントはカードのみ。箱にぎっしりと詰まっています。スリーブはMaydayのアミーゴサイズ。
手番でやること:全員同時!

1.建設するカードの選択
2.建設
3.収入(カードの補充)
4.勝利点の集計
5.勝者の確認

手番は全員同時に行います。

こちらがカード。カード上部の数字が建設コストです。

コストは手札から必要枚数のカードを捨て札にして支払います。

収入では、建設したカード下部の緑アイコン横の数字合計を山札から獲得します($のとこ)。カード名はドイツ語なのになぜ単位が$なのかは不明。勝利点は、オレンジ星アイコンの横の数字合計分獲得します。

どちらも、単に数字が書いてあるものもあれば、他の建物の影響を受けるものもあります。写真1番右の建物は、ビジネスセンターという建物1棟あたり1の収入をもたらすという具合です。

自分の建物だけでなく、他人の建物の影響を受けるものもあります。カードの組み合わせにより、コンボが発生するという訳です。

特殊なカードは2種類。左の建設作業小屋は、コスト4以下の建物であれば、1手番に2つ建てられるという、中盤から終盤にかけてのブースターカード。右の建築家カードは、コスト0で場に出せ、収入を1与える序盤のお助けカード。

これらは共存させることができないので、序盤を有利に進めるか、終盤巻き返しを目指すか難しいところです。
こうして建物を建て、勝利点を集計していき、最初に50勝利点に到達したプレイヤーが現れたらゲーム終了です。

プレイ記

TBGL宮原ゲーム会にて5人プレイ。

最初は5枚の手札でスタート。これにプラスして、各自建築家を1枚ずつ持ってゲームを始める。

カードの絵柄はポップでいい感じ。しかし、ドイツ語の建物名が中々頭に入ってこない。

最初の手番では、収入/勝利点が単独で1ずつ入るというカードをプレイ。
なにも建築していない状態では、カード収入0という厳しいゲームなので、取り敢えず。

手札を支払いにあて、残ったカード。コスト2のカードは建てるために別のカードが建築済みの必要があるカード。

唯一の収入で、ロクなカードを引いてこなかったので、建築家投入。これを公開すると、建築資源小屋が建設できなくなるが、何もしないよりはマシ。

ビジネスセンターを建てた後、次の手番でレストランを建てる。これらは相互作用し、ビジネスセンターの数だけ収入が増える仕組み。

丁度、オフィス街にある定食屋のような位置づけだろうか。こういったコンボを探すのも中々楽しい。

隣のプレイヤーは建築資源小屋を建築し、早速1手番に2軒目を建てている。

ただし、2軒建てられると言っても、コストはかかる。これはどちらかというと、相互作用を及ぼすカードを一気に倍増させる手段として有効なようだ。

そんなCOQの手札には、定番カードである公園が舞い込んで来た。これは、自分の建築した建物に書かれている噴水アイコンの数だけ勝利点を得るという強力カード。強力故に、1人1枚までしかプレイできないという制限がある程。

緑化を進め、住み易い街を目指したCOQには副賞として勝利点5点が毎回与えられる。しかも、以後も噴水マークが増える程に得点が増えるのだ。

ここらで大分手札も増えてきた。勝負は既に終盤、トム・レーマンの思惑通り本当に展開の早いゲームだ。一気に高コストの建物を建て、勝負を決めてしまう作戦を発動。

噴水付きモニュメントを建設し、勝利点と噴水を大量に得る。モニュメント自体が8、噴水で3の合計11点が得られる。

最後は、高層ビルを建てて勝負有り。この手番の得点計算でCOQが勝利点条件を満たしてゲーム終了。噴水だらけのCOQ街が勝者となりましたとさ。

プレイ時間:30分

総評

手軽な建築・拡大再生産ゲーム。サンファンやレースフォーザギャラクシー等より断然軽い。作者のトム・レーマンは拡大再生産を手軽に短い時間で、しかも馴染みやすいテーマで遊ばせようとしたのだと思う。しかし、その軽さゆえに目立ちもせず、レースフォーザギャラクシーの狭間に消えてしまった儚いゲームとなった。

カードにドイツ語依存があるのがとても残念。英語併記があれば儚い運命は違ったかもしれない。どうせアイコンを多用するなら、完全にドイツ語を排除する手もあった。登場するドイツ語のリストを作成し、それを参照してもらいながらプレイしたものの、どうしてもプレイアビリティは落ちる。慣れれば見なくても大丈夫なレベルのものなのだが、不思議とアイコンは覚えられても知らない言語の単語は覚えにくい。

言語上の理由から、日本には輪をかけてほとんど入ってこなかったレアゲーの類。

展開はとっても早く、序盤に遅れを取ると挽回は難しい。でも、プレイ時間が短いので、負けてもPowerとかGridとかが付く名前のゲームほどつらくはない。他のトム・レーマンのゲームと同じく、カード構成を把握していくとガチゲーになり、面白くはなりそう。

ゆっくりと眺めている暇はない!

購入先情報

絶版

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