世界の七不思議 拡張セット第1弾
メーカー | REPOS |
発売年 | 2011年 |
作者 | Antoine Bauza |
プレイ人数 | 2-7人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
プラトン君、志望動機は?
2011年の賞を総なめにした「世界の七不思議」の拡張第1弾『指導者たち』です。旧世界の指導者達を登場させることによって、より明確な発展を目指す事ができる拡張セットになっています。
尚、この拡張セットの第一版用は「世界の七不思議」の初版とカードの色味が合わず、ゲームに支障がでることが報告されています。本件は、日本の代理店であるホビージャパンが交換対応を行っていました。第一版をお持ちの方は、気をつけてください。
世界の七不思議は3つの時代に渡って自分の分明を発展させるゲームです。各時代では、「ドラフト」と呼ばれる手法を用いて発展カードをプレイしていきます(「ドラフト」:カードの束から1枚選択し、隣に残りのカードを渡していく方法)。発展には幾つかの方向性があり、軍事国家や商業国、科学国などを目指します。詳しくは、本体のレビュー記事を参考にしてください。
新たに「リクルート」フェイズを追加する
この拡張では、各時代の最初に「リクルート」と呼ばれる新たなフェイズを追加します。平たく言うと、各時代の最初に1人ずつ指導者を雇えるのです。ゲーム開始時、リーダーカードを4枚ずつ配ります。これをドラフトして各自が4枚のカードを持ってゲームスタートするようにします。
各時代の最初に追加される「リクルートフェイズ」では、自分の手札として持っている4枚の指導者のうち1枚をプレイできます。指導者達は、軍事を得点に換えたり、他のコストを軽減したりという能力を持っています。序盤から自国の目指す方向が明確になることになります。
また、第3時代に登場するギルドカードにも、指導者に関連した3枚のカードが追加されます。関係ないですが、ゲーマーズギルドでは「REPOSのスタッフがゲームをしている絵」が描かれています。
さらに、お金がザクザクになるプレイスタイルも用意されているので、追加のお金が同梱されています。愛人ギルドで活躍する愛人トークンも。
指導者達の能力を十二分に発揮させる、新文明「ローマ」も付属しています。
プレイ記
TBGLゲーム会にて6人プレイ。COQは運良く?追加されたローマ分明。
リクルートフェイズ
早速指導者達の面接から。戦争で得た勝利点にお金がくっついてくる政治家とかワンダーの建設費が安くなるヒトとか。自分は基礎資源の産出(茶色のカード)を沢山プレイするスタイルなので左から2番目を選択。残りのカードは隣に渡す。
次のカード、カラフルな世界で勝利を約束するおじさんとか。しかし、手広く展開してもあまり点数の延びないゲームだと思うので、ここは軍事(赤いカード)で勝利点をもたらすおにいさんを雇用。
次、単なる勝利点のヒトか、3種ごとに勝利点のユスティニアヌス王か。ここは王様を選択したが、この段階になるとまわってくるカードがショボイ。最初の1〜2枚くらいには強力な指導者達がいて、ダイナミックな戦略がとれるようになる感じだ。
最終的にはこの4人、時給780円からスタートです。自分のプレイしたカードが勝利点になるという組み合わせ。この中から3人を場に出せることになる。必然的に、茶色や赤色のカードを序盤から積極的に出していく戦略になるだろう。
第1時代
まずは茶色のカードが勝利点になる指導者をプレイして基礎資源カードをプレイしていく。赤色のカードが勝利点になる指導者は、まわりが戦闘を警戒してくる恐れがあるので温存。
下家のプレイヤーは、戦闘で負けた時に受けるマイナス点を跳ね返すという指導者。つまりは戦闘で勝つ気が無いということで、COQの戦略にはプラス。しかし、計マイナス3点は跳ね返ってくることになりそう。このように、指導者達のプレイ状況を見る事で、序盤からある程度他国の状況も掴み易くなっている。つまり、他国の状況をみながら自分の国の発展をし易くなったという事。
上家は…というと、資源を購入するとストックからお金がもらえて結果1金安くなるという指導者。こちらはまだ狙いが良くわからない。
取り敢えずは指導者達のリクルートで決定した方針を貫くべく、資源カードと軍事カードをプレイしてく。
ほどなくして第1時代終了。予定通り戦闘には勝利したが、下家からマイナストークンが跳ね返ってきた。上家とは戦闘力が互角。
第2時代
そして第2時代。赤色のカードを勝利点に換える指導者をプレイすると、狙いがバレた。軍事に力をいれそうで嫌だな、という他国の嘆きが耳に入ってくる。
しかし、もう走り出しているので止まれない。軍事力を強化しつつ、ワンダーの建設を進めて第2時代終了のお知らせ。今度は両側の国に勝利するが、マイナス点は跳ね返ってくる。たった1点だけど、マイナス点の跳ね返しって楽しそう。
第3時代
第3時代、満を持してユスティニアヌス王をプレイ。赤/青/緑のカードで勝利点。赤と青が揃っているので残るは緑(科学技術)のカード。科学技術は得点を伸ばすカードだが、それをさらにブーストアップするという作戦。あとは第3時代で登場するギルドカード(紫)を利用してさらに得点しようという狙い。
まわりを見回すと、上家がお金ザクザクプレイ。しかも、通常3金で1勝利点のところを3金で3勝利点というコンボを成立させてる。なんとかしたいが、下家の自分には戦闘で勝つくらいしかできない。彼の上家に、カードを止めてくれ!と願いながら自分の目標を目指す。
そしてゲーム終了。残念ながらその後、ギルドカードはロクなのが来なかった。戦闘には勝利し、上家のお金プレイとの一騎打ちとなりそう、、結果は!
最後の時代、効率的なギルドカードを沢山獲得したのが勝因、お見事。
プレイ時間:40分
総評
Silver
この拡張は、基本セットに入れるべきであったと思う程に良く出来ていると思います。鉛筆の芯がさらにシャープになる印象。ゲームの本質はいじらずに、欠点を克服して良いところを伸ばすという拡張です。「世界の七不思議」を積極的に楽しむならマストバイでしょう。
世界の七不思議には「ソロプレイ感がつよい」という印象を持つプレイヤーもいるみたいですが、それらは他国の狙いを把握しずらいということに起因していると思います。また、自分が目指すべき方向も、カードの束を見るまではわからないという玄人向けな一面をもっていました。しかし、この拡張を導入する事によって、「他国の狙いが序盤からある程度わかり、自分の方向性も定めてからスタートする」という分かり易い展開になると思います。盤面を見れば、どの国がどのカードを欲しているか、分かり易くなっているのです。
また、拡張を導入してもゲーム時間は殆ど変わらず、プレイの手順にも変更が殆ど無いというのが嬉しいところです。7人までプレイでき、時間も40分程度で終わるというのはゲーム会等でかなり重宝します。
反面、座席の離れたプレイヤーには干渉しずらいという特徴は残っています。カードの選択によって少しだけ干渉はできるものの、離れたプレイヤー達同士でしのぎを削ってもらうしかないのです。カード構成を把握していれば、対岸の情報も重要なのですが。この辺りに、依然ゲーマーズゲームとしての一面が見え隠れしていると思います。その分、やればやる程に、全員の理解が深まれば深まる程に面白くなっていくので、プレイ回数を重ねたいところです。または、座席の離れたプレイヤーに干渉できる拡張を待ちましょう。
初見の面白さの奥に隠れる、スルメゲーをさらに面白くする拡張です。