気球に乗って最高の幸せを目指せ
メーカー | Out of the Box Publishing |
発売年 | 1999年 |
作者 | Aaron Weissblum |
プレイ人数 | 3-6人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
最高の幸せ(9番目の雲)を目指すチキンレース
OUT OF THE BOX社の『クラウド9』です。クラウド9というのは、”最高に幸せ!”という意味ですね。プロポーズのOKを貰った時などに使用するようです。
箱を開けて、まず注目すべきはそのコンポーネント。気球のカゴの部分は実に作り込まれています。透明のプレートによって、まるで浮いているかのようです。そして、付属の木製駒。この形について語るのは時勢に合わないので辞めておきましょう。
このゲームでは、各プレイヤーが順番に気球のパイロットを担当し、”最高の幸せ”すなわち9番目の雲を目指します。
各プレイヤーには6枚ずつの気球カードが配られます。気球カードは全部で4色。そして、60枚の中に3枚のワイルドカードが混じっています。
実はポーカーフェイスが鍵を握るブラフゲーム
手番では、まずパイロットがダイスを振ります。振るダイスの数は雲の階層によって変わります。最初は2つですが、次第に3つ、4つと増えていきます。ダイスには、4色の気球が描かれた面と真っ白な面(2面)があります。
ここで、パイロット以外のプレイヤーは出目と記憶、カードの残り枚数等を考慮して、このまま気球に乗り続けるかどうかを決定します。気球を降りることを決断したプレイヤーは、今いる雲に書かれた数字分の得点を得ることができます。出目を見てから意思決定をするため、パイロットの思惑を読まなくてはなりません。
気球は、パイロットが出目と同じ気球カードをだすことにより上昇します。ここで重要なのは、ワイルドカードを除き、出せる気球カードは必ず出さなければならないという点です。そして、ワイルドカードはどんな出目でもそれ1枚だけで気球を上昇させることができます。
上昇に成功した場合、パイロットは左隣のプレイヤーにうつります。上昇に失敗した場合は、気球は真っ逆さま。気球に乗っていたプレイヤーは全員地面まで落下し、何も得られません。
パイロットは、他のプレイヤーが1人でも乗っている間は気球と運命を共にしなければなりません。全員が飛び降り、自分一人の単独飛行となった時に初めて、自分も気球を降りる事ができるようになります。墜落することなく気球から全てのプレイヤーが降りた場合は気球はまた地上から再スタートします。気球カードは、気球の旅が終わるごとに1枚ずつ補充されます。
こうして得点を重ねていき、最初に50点を獲得したプレイヤーが現れた時点でゲームは終了し、順位が決定します。
プレイ記
自宅ゲーム会にて、JJ、カジ、ナカ、ヒロシと5人プレイ。
コンポーネントを取り出すと、立派なカゴよりもヒト駒の形へ皆の関心が向く。
この素敵な駒を気球に乗せて、雲の上の幸せを手に入れるゲームさ。
いざ、ゲームスタート。
最初のパイロットは赤い彗星のCOQ。手札は、緑と紫に偏っている。ワイルドカードが1枚あるのが頼もしい。このゲームの肝はワイルドカードの使い方。ワイルドカードの使い道のみ自分で選べるのだ。コイツは単独飛行になるまで温存し、自分だけが高みへ昇るために使用しなくては。
サイコロの出目は緑と赤が一つずつ。当然、手札は足りない。しかし、それがわかっているのはCOQのみ。ポーカーフェイスで余裕を表し、全員の乗船を促す。この辺りに演技力が求められるゲームである。
演技の甲斐あって、全員を道ずれにして墜落成功。お陰で、全員がゲームのコツを掴んだようだ。信じられるのは己のみであると。
その後、暫くはサイコロにめぐまれずに殆どの気球が墜落。カジとナカのみがセコく最初の雲で降りて1点とチキンの称号を獲得する。
ゲームが進むにつれ、次の雲まで運命をともにする決心をした者は親指を立てるジェスチャーを行うようになる。なんだか、勇敢に死地へ向かう戦闘機のパイロット達のようだ。
そして、初めて気球が後半の雲へ!黄色のヒロシがサイコロを振り、更なる上昇を目指す中、他の3人は全員ヒヨって飛び降りる。そんな中、COQは指を立てて乗車を宣言。
一緒に頂きを目指そうぜ!
パイロットは、乗客がいなくなるまで自ら飛び降りる事が許されない。従って、次の手番に自分がパイロットとなることが判明している場合、乗車を宣言することはかなりリスクがある。しかも、この先はサイコロが3つ、4つと増えていく。しかし、この時COQの手札にはまだワイルドカードが残っていたのだ。
そしてサイコロを振るCOQ。なんと、出目はワイルドカードを使用しなくても上昇できる出目。チラリとヒロシを見るも、、
すみません、降ります。
満員電車をかき分けるサラリーマンのような台詞を吐いて、すまなそうに分身を降ろすヒロシ。そして、COQが手札から気球カードを叩き付ける。
一同「えーーーっ、まだいけるんすか?」
この瞬間がたまらない。ここからは赤い彗星の独壇場。なんたってワイルドカードがあるんだから、乗りますよ。昇りますよ。
クラウド9まであと一歩と迫ったCOQ。この時点でもワイルドカードを残していたため、到達は確定している。そして、、、
ワイルドカードを叩き付けて、最高の幸せを獲得。一気に25点を獲得して楽勝ムード。
しかし、ここから同じくワイルドカードを隠し持っていたヒロシが単独飛行で7番目の雲への旅を成功させる。後ろからジリジリと迫られて焦るCOQ。この時、COQ:44点 ヒロシ:39点
50点に到達したプレイヤーが現れた時点でゲームは終了する。ここで痛恨のミス。50点到達を焦って6点で飛び降りてしまった。すると、その後気球はするすると上昇していき、ヒロシが12点の雲で飛び降りたのだ。
挙げ句、気球はさらに上昇し、ナカが8番目の雲まで辿り着く。なんと、終盤でプラス20点の快挙。JJとカジのポークビッツはクラウド9を望み、垂直落下。
結果、なんと楽勝のはずが3位になってしまった。
残念!
プレイ時間30分
総評
Bronze
単純なルールですが、ブラフ有り、記憶力勝負あり、ここぞと言うときの決断力勝負あり、と中々盛り上がるアツいゲームです。中でも、記憶力は結構重要。前回の墜落時、どんな出目でカードが出せずに墜落したのか。その後のカードの補充は何枚だったか。ワイルドカードは何枚使用されたか。この辺りの記憶が勝負を分ける事が多いようです。
以前、3人でプレイした時はクラウド9に辿り着くことはできませんでした。このゲームは多人数でプレイしたほうが気球上昇の確率も上がり、盛り上がるようです。したがってベストプレイ人数は最大の6人でしょう。
私が所有しているのは旧版で、箱の形がその他のゲームとマッチしないために収納に困ることもありますが、その後に発売された新版では箱の形が変更されたようです。その分、ボードの形が若干変更になっているようですね。写真から判断すると、気球と駒の形状は変わっていないようなのです。気球の立派なコンポーネントは健在のようで、一安心です。
6人で楽しいので、色々と重宝するゲームです。ただし、ブラフの要素があるので子供向けではないような気がします。