移動、採集、狩り、発見。部族の更なる発展を
メーカー | Pegasus Spiele |
発売年 | 2022年 |
作者 | Klaus-Jürgen Wrede |
プレイ人数 | 2-4人用 |
対象年齢 | 10歳以上 |
ゲーム概要
ユルゲン先生の新作「火と石の時代」です。
カルカソンヌでメガヒットを飛ばした作者が2022年に放つ、ミドル級ファミリーゲームです。
(プレイ時間60分前後)
ゲームの目的は、「石器時代の部族を率い繁栄させること」です。
このゲームでの繁栄とは、自分の部族の小屋を建てまくることです。また、ゲーム開始時に各プレイヤーはシークレットな目標タイルを持ってゲームを始めるようです。
全てのプレイヤーは南アフリカのマスより探索をスタートし、未開のタイルをめくっていきながらアジアを経てアメリカを目指します。めくったタイルには、森林や焚火や小屋などが描かれており、新たな場所の発見を意味しています。新たな場所では小屋を建てるための食料や、手番をより有利に実行するための新たな発明などをすることができます。
ゲームの大まかな流れは、部族コマの移動(最大2マス)、到達した場所のタイルの公開(未公開の場合)、採集タイルの獲得と新技術の発見、小屋の建設となります。
手番では
成長要素のある個人ボード
個人ボードには食糧庫があり、最大8つの食料トークンを貯蔵できるようになります。
その他、狩猟で得た獲物(焚火アクションで食料に変換できる)を置く場所と、採集で得たタイル(発明に繋がる)を並べる場所があります。新たな発明を得た場合には個人ボードの横に並べていきます。
発見タイルの初回効果とアクション
発見タイルごとの初回効果とアクションは以下の通り。
発見タイル | 初回効果 | アクション |
---|---|---|
森林 | 獲物タイルを裏向きで1山配置する。 | 獲物タイルの山から任意のタイルを1枚獲得する。 |
焚火 | 1勝利点獲得する。 | 自分の獲物タイルを食料と袋(倉庫拡張)に変換する。 |
採集 | なし。 | 採集タイルを獲得するかどうか選択する。獲得しない場合は2食料を得る。 |
小屋 | 小屋を1つ無料で建築(強制)。小屋タイルをゲームボード上のトラックに並べる(領域や部族コマの解放が発生する)。部族コマを同領域の焚火に移動させる。 | (小屋が1つ以上建っているマス):建築済の小屋の数の食料を支払って小屋を建築する。部族コマを同領域の焚火に移動させる。 |
秘密の貯蔵庫 | 食料と袋(倉庫拡張)を得る。 | なし。 |
洞窟 | 洞窟カードをめくり、指示に従う。 | 可能ならカードのアクションを実行する。 |
洞窟カードでは、インスタントアクション(1回のみのアクション)や、永続的なルールの追加などが発生し、ゲームに変化を与えそうです。例えば「各自が採集していたタイルを発見者から時計回りの手番で1つずつだけ捨てられたタイルと交換できる」などの効果が発生したりします。
収集と発明、そして勝利点タイルの絡み
面白そうなのは、採集と発明、そして勝利点タイルの関係。
採集したタイルは個人ボードの2列の保管場所に置いていくのですが、各列には1種類のタイルしか置くことができません。既に2種類が埋まっているときに新たな種類のタイルを置く場合には、既に置かれているタイルのどちらか1種類を丸ごと破棄しなくてはなりません。採集タイルの2個目以降を個人ボードに置くことにより、勝利点タイルか発明カードを獲得することができます。
発明カードには即時効果と永続効果の両方が記載されています。
食料がもらえるものや、海を越えて移動できるようになるものなどがあります。
発明カードは何枚でも保有できますが、同じ発明を複数枚獲得することはできません。
悩ましいのは勝利点タイルです。
最大3点を得られる勝利点タイルですが、もちろん”早い者勝ち”かつ勝つためには必須の要素のようです。しかし、勝利点タイルを獲得する場合には、発明カードの上に置かねばならず、これによって発明カードの効果が失われてしまいます。
これは悩ましい。
そしてゲームの終了へ
ゲームは、11枚目の小屋タイルが置かれるか、誰かが全ての小屋コマをボード上に配置(レアケース)すると終了フラグが立ちます。その後、終了フラグを立てたプレイヤーは1回、その他のプレイヤーは2回の手番を実行してゲーム終了です。
最終得点計算をして最高得点のプレイヤーが勝利します。
勝利点タイル | 勝利点タイルに記載されている勝利点を得る。 |
小屋建設数 | 建設済の小屋1つにつき1勝利点を得る。 |
小屋建設マジョリティ | マス内の小屋建設数が単独優位のプレイヤーは1勝利点を得る。 |
目標タイル | 目標を達成していれば勝利点を得る。 |
ヴァリアントルールとして、各自1つの発明を保有してゲームを開始できます。その場合は、ヴァリアント用の発明カードを手番と逆順にドラフトしていきます。
プレイ時間:45〜60分(公称)
総評
流石のユルゲン先生、古き良きドイツゲームの領域に新作を落とし込んできました。
良くも悪くもめくり運が影響しそうなので、ファミリーゲームの位置付けと思いますが、近年正統なドイツゲームが少ないので、「オレゴン」のようなゲームが満点評価の自分にはこのような作品を発売してくれること自体がありがたいです。
ルールを読んだ時にスタートプレイヤーが超有利じゃないかと思いましたが、ヴァリアントルールでそれを調節していますね。2〜4人用ですが、人数が少ないと緩くなってしまうのが明白なので4人で遊ぶのが良さそうです。
ゲームの途中で手番でできることが2倍になる仕組み(部族コマが2つになる)が施してあり、テンポも悪くなさそうです。
日本語版の発売予定は2022年の2月。
既に各所で予約が始まっています。
実際に遊んだら情報を更新したいと思います。