「正義」の反義語は、「もう一つの正義」である
メーカー | Your Move Games |
発売年 | 2007年 |
作者 | Darwin Kastle |
プレイ人数 | 2人用 |
対象年齢 | 8歳以上 |
ゲーム概要
最重要拠点を奪い合う2人用カードゲーム
第二次世界大戦を舞台としたカードゲーム『バトルフォーヒル218』です。カタカナだとイメージしづらいですが、原題はThe Battle for Hill 218です。つまり、「218丘陵を奪い合う戦い」という意味ですね。
ゲームでは、重要拠点である「218丘陵」を挟んでお互いの司令部を設置します。手札の部隊カードを2部隊ずつ”司令部からの補給線が繋がるように”配置していき、敵部隊を殲滅しつつ敵司令部の占拠を目指します。
各軍同数の部隊カードがデッキとして配られます。歩兵、重装歩兵、特殊部隊、戦車、自走砲法、空挺部隊があります。写真は本国歴史博物館所蔵の本格的なものです。
カードのこちら側が味方司令部、反対側が敵司令部です。カラーは緑と青、明記はされていませんが連合軍と枢軸軍的イメージ。
補給線を繋ぎ、カードをプレイする瞬間に発砲
それぞれのカードには、補給線/攻撃/支援の情報が書かれています。左端のマークは、どの方向から補給を受ける事が出来るか。右端のマークは、どの方向に支援を行えるか。そして、真ん中のマークは、どの方向に攻撃できるか。
真ん中のマークのみ2種類、単独で相手を破壊できるものと、支援があって初めて破壊できるものがあります。カードは場に出した瞬間にだけ火を噴き、攻撃可能な場所に敵部隊がいれば排除することができます。
その他、空爆カードを各自2枚ずつ持っています。カードをプレイする代わりに、このカードを使用することによって、相手の部隊を1つ破壊できます。
こうして補給線を繋ぎながら敵部隊を排除し、218丘陵の向こう側にある敵司令部を占拠するのです。敵司令部の位置に自分の部隊を配置するか、デッキが無くなった時点で生存部隊の多い方が勝利します。
プレイ記
Tさんにお相手をして頂きました。
スタート時、カードは5枚配られ、そのうち3枚を選択して始める。取り敢えず、軟弱な歩兵部隊は後方へ送り返す。
COQ側から戦闘開始。最初の手番のみ、カード1枚のみのプレイとなり、先手の有利さを打ち消す。司令部には重装歩兵を配置し、360度の支援で周りを守る。
…が、Tさん自走砲兵の前にあえなく戦死。自走砲兵は離れた距離を支援無く破壊できる強い部隊。いきなり司令部に自走砲法とは。
こちらも自走砲兵を使用して敵司令部の部隊を殲滅し、補給線を断つ。こうなると、敵はまず司令部になにかしらの部隊を配備せざるを得ない。
相手もすかさず反撃してくる。司令部に部隊を配置し、返す刀でタンクが電撃的に侵入してきた。218丘陵の左右に部隊を配置された状態で相手に手番をまわすのは致命的。
そしてこのゲーム、手番では絶えず相手の部隊を破壊していかないとまずそうだ。展開部隊数に差がつくのは見た目以上に展開がきつくなる。
この時の手札。「特殊部隊」が2枚ある。特殊部隊は斜めに補給線を繋げるという能力を持っている。一見地味な能力だが、これが滅茶苦茶強い。通常2枚のカードが必要になる行軍を1枚でこなすのだ。
敵司令部が空なら、218丘陵の横を経由して1手番で占領してしまえる。これが2枚あるというのは絶対的有利。あとは、どうやってこの作戦を成功させるかだ。
取り敢えずは右舷の戦線に突出してきたタンクを破壊しつつ敵の補給線を断つ作業。
敵が補給線を補充したところで左舷へ展開し、重装歩兵で360度支援をアピール。先に1枚特殊部隊をプレイすることによって油断を誘う。
すると、敵は相変わらずいつもの戦場へと部隊を進めてきた。
勝負あり。
空爆部隊に司令部の座標を送信し、駐留部隊を爆撃。
そして、敵司令部を特殊部隊が占拠して終了。218丘陵は連合軍によって確保された。
敵司令官最後の言葉。
「なんだよ、もう1枚持ってたのか!」
続けてもう一戦。またしても連合軍の勝利に終わりましたとさ。
プレイ時間:12分
総評
Bronze
ミリタリーフレーバーがうまく反映されており、テーマ的に筆者のストライクゾーン。5目並べを2人用のカードゲームにしたようなテイスト。お互いに攻め続け、手が止まれば敵が押し寄せてきます。
手札からカードを出していき、敵を殲滅していく。その手が止まれば相手は雪崩の様に迫ってくる。この緊張感が10分程度のゲーム時間の中に凝縮されており、実に面白いです。慣れてくれば、相手の使用カードを見て戦況を分析することも出来る様になり、さらなる熱い戦いが行えることでしょう(殲滅したカードはいつでも確認可)。
1戦が10分程度で終わることもあり、とても便利。テーマが人を選ぶと思いますが、2人用のカードゲームとしてはかなり良くできた部類と思います。結構奥の深いゲームです。今はアプリ版も出ていると思います。
繰り返しプレイしていますが、いつ遊んでも面白いです。デッキが枯渇したら終了なので一定以上の時間がかからないところも◎。