Short Review
誰を友人と呼ぶのかということに注意しなさい。
アル・カポネ
メーカー | KOSMOS |
発売年 | 2009年 |
作者 | Jürgen Kiedaisch |
プレイ人数 | 3-5人用 |
対象年齢 | 12歳以上 |
ゲーム概要
他の組織を利用してのし上がる
2009年にコスモスから発売された、禁酒法時代のギャングをテーマにした作品です。各ラウンドでペアを組む相手が変わる珍しいゲーム。ペアを指定するカードが毎ラウンドめくられることになります。同時に指定される攻撃側/防御側に別れて、「暴力」「賄賂」「脅迫」を利用してラウンドを牛耳ろうとします。
ラウンドを牛耳ることに成功したチームは、勝利点、追加の部下、カード補充などの特典を得ます。どの特典を得られるかは、チーム内の貢献度によって決まります。
攻撃側のカード価値は先にある程度開示されるため、防御側ではチーム内での相談が重要です。このラウンド、勝負するのかしないのか。攻撃側も、どちらもカードは温存したいわけで、「お前がだせ、いいやお前だ」というチーム内の争いも絶えません。また、攻撃側のプレイヤーは、一部カードを伏せて置けることがポイントです。味方をも騙すことが可能なわけですが、信用を失うと、その後の展開がキツくなります。
報酬の一部として仲間になるキャラクター達は、抗争を有利に進める能力を持っています。キャラクターの能力は強力なため、出遅れるとゲーム中かなり厳しい展開となります。ギャング間の抗争をうまくゲームに反映させた作品です。
プレイ記
Tさん、侍さん、流さんと4人プレイ。
コスモス小箱ゲーム「シカゴギャングスター」アンタッチャブル的雰囲気の中で酒(勝利点)を稼ぎます。毎ラウンド2つのチームに分かれるのですが、協力してもしなくても良いというのが特徴。最後は個人の陣営と手札によって得点が加算されるのです。
中盤、Tさんの強烈なウソ(本人は非意図的と供述)にだまされ、痛手を負った流さんを救うCOQ。そして他を無視して常に手札を勝利点に換えていく侍さん。最後は流さんを救うように見えていた行為自体が流さんをおとしめる作戦だったCOQと我が道をいく侍さんが同点で終了。
しかし、日本語ルールには同点の場合の処理や、そもそも最高点が勝利とは記載されておらず、勝者は闇の中。後日、流さんから「もう誰も信じない」というメッセージが来ました。
総評
エリオット・ネス(アル・カポネの宿敵の捜査官)ファンのCOQとしては、このテーマはお気に入りの1つです。ギャング物というのは、映画にもゲームにも馴染み易く、手軽な非日常間を演出してくれます。このゲームでは、ギャング間で毎回協力関係を構築するわけですが、本当に協力しているかどうかは本人にしかわかりません。この点に、テーマの再現性を感じます。ただ、前述の通り、キャラクターカード等が非常に強力なため、出遅れると復活は難しい時があります。ゲームを壊さないために、プレイヤーが手加減をしなければならない場面があります。また、ルールブックの内容が甘く、カードを出す順番が書かれていなかったりするので、最初にルールを固めてからプレイすると良いでしょう。防御側にも先手後手を適用するのがお勧めです。