今日うちラクダパーティなんだ
メーカー | Game Works |
発売年 | 2009年 |
作者 | Sébastien Pauchon |
プレイ人数 | 2人用 |
対象年齢 | 12歳以上 |
ゲーム概要
インド風味の2人用セットコレクション
インドを舞台にしたフランス生まれの2人専用ゲーム『ジャイプル』です。プレイヤーはインドの都、ジャイプルで品物を売り、商人として成功を目指します。ゲームは3本勝負、先に2本とったほうが勝利します。
現行のバージョンとは異なりますが、箱を開けてまず驚くのは、洗練された中身。と、言ってもコンポーネントはカードが1束とトークンが数十枚。しかし、そのトークンはキチンと切り離されて収納スペースに納まり、カードスペースの下には「ジャイプル」のロゴがオシャレにあしらわれているのです。
カードを取るか、売却するか
ゲームで使用するカードには、商品カードとラクダカードの2種類があります。手に入れた商品カードを売却することで勝利点を獲得していきます。そのために、ゲーム中の手番では以下の中から1つを選択して実行します。基本的にはカードの獲得か売却の2択ですが、カードの獲得には3種類の方法があります。
ラクダカードは自分の手札には入れず、ラクダ置き場に置いておくことになります。そして、手札を増やすには、1枚ずつ取るしか無いところがポイントです。また、ラクダと引き換えに、複数枚の商品交換ができるところも大きなポイントですね。ラクダを多く手に入れておき、一気に交換して手札を増やすことができますが、次の相手の手番で逆にそのラクダをすべて獲得される危険がついてきます。
早い者勝ちの得点
ゲームにはダイヤ/金/銀/革/香辛料/布の6つの商品が登場します。それぞれ、カードを1枚売却するごとに、対応するトークンが1枚貰えます。このトークンはそれぞれの列で昇順に並んでおり、早く売れば高く売れるようになっています。
そして、複数枚のカードを同時に売却した場合には、その枚数に応じたボーナストークンが貰えます。早く売れば売る程、商品1枚あたりの単価が上昇するので、単発で売りたくなるところですが、そうはさせてもらえません。
3枚以上の商品カードを同時に売却した場合には、通常の商品トークンにプラスしてボーナストークンが貰えるのです。このトークンは侮れない程の価値を持っており、ボーナストークン目当てに我慢して一気に売るのか、商品を高額で売却するために順次早目に売っていくのか、ジレンマが発生します。
ラウンド終了:ラクダも大事
こちらはラクダトークンと勝利マーカー。ラクダは商品と交換できるだけでなく、終了時に沢山もっていると5ルピーの価値のあるトークンに化けます。勝利マーカーはラウンドごとの勝者に配られます。3本勝負なので2つ獲得すれば勝利です。
ラウンド終了時に沢山のルピーを稼いでいたプレイヤーが勝利マーカーを受け取ります。
さぁ、インドの豪商をめざしましょう。
プレイ記
深夜の実家ゲーム会にて、流木のっちと2人プレイ。
掴もうぜ良純トークン!
ひとしきり、冒頭で紹介したようなパッケージへの賞賛を送った後、ゲーム開始。カードの裏面にも書いてある石原良純のようなおっさんの勝利トークンを2つ手に入れなくてはならない。
初手。見事に銀が被っていて超有利。問題は、あまりに初期手札が有利すぎて容易に予想される、のっちの「カードがきれてねー」という発言にどう対処するか。それだけだ。
取り敢えずは、場に4頭もいるラクダをゲット。本来なら、あまり大量のラクダを無造作に取るのはよろしくない。なぜなら、ラクダが居たところには山札から同じ枚数分のカードが補充されるから。同じ種類の商品を一気に獲得するチャンスを相手に与えてしまうわけだ。しかし、これは初手ゆえ、相手がラクダを所持していないので、やってしまう。
うぉっ、いきなりラクダかよ
今日うちラクダパーティなんだ。良かったら寄ってく?みたいな。
次の手番まで待ったが銀は出てこなかったので、4枚で売却。ボーナストークンも付いてきたので一気に大量得点。そして来た。
きれてねーw
のっちの手札はバラバラでしょ、こういうのは天運って言うんだよ天運!
それより、さっきから君のカードの裏から良純が見つめてくるんだけどなんとかしてよ。
お前もだよw
本当に手札はバラバラだったらしく、これにて一件落着。偶然銀が4枚来ただけなのに、まったく気苦労が耐えない。
「布」をめぐる攻防
銀を売却して手札がダイヤ1枚になってしまったので、1枚ずつ獲得していく。ここは取り敢えず、布を取ってみる。のっちも何やら手札を増やしている模様。さてはコンボ狙い。こちらは銀を売ったおかげでのっちの手札の枚数とはかなり差がある。
ふと見ると、布トークンは最初の1枚のみが高得点となっている。ボーナスも高得点も取られては話にならないので先に布を1枚だけ売却。
こんなかんじで、手元にルピー(トークン)を獲得していくのだ。
すると、次の手番でのっちは布を3枚売却してきた。危ない危ない。お互い、ある程度的を絞りながらカードを集めては売却していく。相手の狙いのカードが場に並びすぎないように注意しながら。
強制ラクダパーティ
すると、必然的に場にはラクダの群れができる。でも、これを一気に取ると、そこには山札から一気にカードが補充される。補充されたカードに高額の商品が並んでいたらえらいことになる。ラクダを取るときは、相手が場のカードを手に入れにくい隙をつかなければならないのだ。
しかし、5枚すべてがラクダとなってしまっては、売却かラクダかの選択肢しかなくなる。こうならないように場のカードのコントロールをしなくてはならないのだが、流木のっち無念の強制ラクダパーティ。
おかげでダイヤが揃ってきた。ゲーム中、一番高価なカードで勝利一直線。
ルピーがザクザク。質のいいトークンなので、所有欲をたっぷり満たしてくれる。エンドルフィン(快楽物質)がでそう。
ほどなくして商品トークンが3列枯渇し、最初のラウンド終了。ラクダの数を数えてラクダパーティをより楽しんだ方にラクダトークンの得点を加える。
結局、ラクダパーティで一晩中踊りあかし、商品トークンも沢山手に入れたCOQがぶっちぎりでラウンド先取。
そしてラウンド先取の証の良純トークン。頑張った結果がおっさん1枚というのが納得いかないが、マハラジャに一歩近づく。
ほら、そこにお金が落ちているだろう?でも誰も拾わないんだ。僕、マハラジャだから。
第2ラウンド
などと嘯くも、2戦目はロースコア対決でのっちの勝利。
ラクダマーカーを僅差で奪われてのラクダ負け(ラクダは5ルピー)。ラクダの上でゴーゴーを踊るのっちに勝ち誇られる。
第3ラウンド
3戦目は、コツを掴んだCOQが、各商品のおいしいところを万遍なく獲得し、ラクダトークンも手に入れ、勝利。
通算2対1でCOQの勝ち!
プレイ時間 35分
さっきのジュース代払わなくていいよ。僕、マハラジャだから。
総評
Silver
秀作。コンポーネントの質、ゲーム性、終わった後のスッキリ感まで、どこもはみ出さずに綺麗にまとまっていると思います。直感でプレイできるようなゲームです。
基本的には、手札マネジメントとセットコレクションのゲームですが、勝つためには必ず品物を売却しなければならず、その為に手札が少なくなります。手札の回復にはそれなりに時間がかかるので、どちらの側にも見せ場があり、一方的な展開にはなりません。お互いに面白いと感じながら遊べるゲームだと思います。勝負は僅差で決まることが多いでしょう。また、ボーナスタイルにはある程度のランダム性があるので、その時々の勝敗を適度に演出してくれます。ここもガチガチになり過ぎない2人用ゲームとして◎。
ルールがシンプルで、すんなりと頭に入ってきます。掲載したプレイ記は、しこたま飲んだ後の午前2:30プレイ開始です。それでも悠々プレイできるレベル。しかし、如何に相手に得をさせないように、効率的に稼ぐか、カードプールをコントロールするか、悩ましい選択はきちんと用意されています。
難点を挙げるとすると、毎回勝利点のトークンを並べ直さないといけないところでしょうか。
ガチガチになり過ぎない2人用ゲームとして持っていて損はないと思います。
Let’s Play ラクダパーティ!!