コンセプト

Bronze

人類とは、かくも表現したい生き物である

メーカーRepos Production
発売年2013年
作者Alain Rivollet他
プレイ人数4-12人用
対象年齢10歳以上

ゲーム概要

2014年のSDJノミネート作の「コンセプト」です。
お題を他のプレイヤーに当ててもらう系の、ゲームというよりコミュニケーションツール。お題を”コンセプト”で表現して当ててもらうゲームです。元々は海外(フランス)のゲームのため、お題のカードにはよくわからないアニメや俳優などが混じっていました。しかし、日本語版発売の際に内容も日本向けにローカライズされています。日本語版のカードは日本の俳優などが登場するようになっており、これなら老若男女の日本人が楽しめそうです。ゲームでは、出題者(2名)と回答者(その他全員)にわかれます。出題者は3レベル(難易度)3つずつ計9つのお題が書かれたお題カードから秘密裏にお題を選択して、これをメインボード上のアイコンに駒を置く事で表現していきます。

びっしりとコンセプトアイコンが描かれたメインボード。ここに駒を配置してお題のコンセプトを示す。

お題を表現する駒にはメインコンセプトを表す「?」マーク、サブコンセプトを表す「!」マーク、さらにそれぞれの色の四角いキューブが用意されています。これらをメインボードのアイコンの隣に配置し、組み合わせでコンセプトを表現し、最終的にお題を当ててもらいます。メインボードのアイコンには対になるもの(仕事/遊び、大きい/小さい)や色などが揃っており、発想力次第でいかようなお題をも表現できるようになっています(多分)。基本的にはメインコンセプトで大枠を示し、サブコンセプトで例えば登場人物などを表現していきますが、これらの駒の使い方は自由です。時には思いもつかないような発想力をみせるプレイヤーが現れることでしょう。うまくお題を当ててもらえれば出題者に1点ずつ、当てたプレイヤーは2点を獲得します。12問終了時点での得点を競います。

中央、緑の駒がメインコンセプトを示すための駒。

メインコンセプトとサブコンセプトのプレゼンで”お仕事出来ない系男子(女子)”をあぶり出し!

このゲームのインストをする時は、実際にコンセプトを示してみせるのが一番。メインコンセプトでは大枠を、サブコンセプトでは中身を表現すると良いことはすぐ伝わりますが、沢山ある駒をどう使うのかは実際に見せてあげるのが一番です。

沢山ある駒は、色々なアイコンのところにばらけさせても良いですし、一箇所に複数の駒を置く事もできます。後者の一箇所に複数を置いても良いというのがウマいプレゼンの糸口だったりします。なので、最初は誰もが知っているような漫画や映画で、数字が関わってくるものを示してみせると良いと思います。例えば「ドラゴンボール」。メインコンセプトでテレビアニメや漫画を示し、サブコンセプトで「球」と「オレンジ色」を示します。ここで、「オレンジ」や「球」に駒を7つ置くことによって、「7つのオレンジ色の球」のアニメということが表現でき、恐らくそこからドラゴンボールを連想するのは難くないでしょう。

お題は各レベルに3つ用意されており、自由に選択できます。その中から、当然自分も知っていて、メンバーも知っているお題を選びます。あとは発想力の勝負です。ここでウンウン唸ってコンセプトを示せないでいると、あっという間にお仕事出来ない系男子(女子)という名の十字架を獲得することになるでしょう。恐るべし。

メインコンセプトはテレビに置いている。

プレイ記

4人プレイと6人プレイ

まずはジャムタン会にて4人で遊んでみた。4人しかいなかったので、出題者は1人にした。

お題のレベルは中級。

最初のお題!

さて皆さん、わかるだろうか。メインコンセプトは「音楽とテレビ」。サブコンセプトに「女性と大きい」。

ピンときました。

COQ
COQ

ハイっハイっ、和田アキ子!!

ふうか
ふうか

ピンポン!!

ここで二人はガッチリと握手。当てるのも、出題するのも楽しい。そして、少ないヒントで当たると何かを共有できた満足感で一気に距離が近くなる。このゲームは合コンにオススメかもしれない。

続いてkarokuさんから2問目

続いて2問目。

メインコンセプトは「食べ物と白、灰色、ピンク…?」 サブコンセプトは「お金」

んーー、さっぱりまるでわからない。なんとなく、外食系の何かであることはわかるけど…

侍

わかった!回転寿し!

エエエーーーっ!流石、この2人付き合いが長いだけの事はある。

COQ
COQ

普段一体どんな寿司食ってんだよ!白はシャリとしても灰色とピンクは何!

こういうハプニング的なのも面白い。(よくいく店の皿の色??)

しかしここで侍さんの出題の番。

侍

これ、3つとも表現できないのでカード変えてもいいですか?

見ると、七福神とか。一同「いけるんじゃないのかなー。」 でも本人が無理だというので次のカード。

侍

う〜ん、ウ〜ン、uuuunn、パスで!

慣れの問題も有ると思うけど、出題者が2名の理由がわかった。1名だとこういう風に止まってしまうからであった。

所々でお仕事出来ない系男子があぶり出されていることをしみじみと感じながらゲーム終了。結果は出題者がパスを選択して得点のバランスが崩壊したため、ノーコンテスト。


続いて、6人ゲーム会にで若者達(そんなに離れていないけど)と前回の教訓を活かして通常ルールで遊んでみた。

映画好きやデザイナーの人が混じっていたお陰か、クリエイティブなプレゼンが次々となされ、平等院鳳凰堂なんてお題も瞬時に答えられてしまった。他人の中身を覗いているようで、初めて会った人達ともすぐに打ち解けられた気がした。

人間は、基本的に表現をしたがってて、コミュニケーションを取りたがっている。そして、それらはとても楽しい。人類は、かくも表現したい生き物なのだと実感した。

プレイ時間:45分(4人)

総評

Bronze

全く以て、戦略やら、切れ味の鋭いルールやらがあるわけではない。

この手のゲームといえば、ホワイトボードなどに絵を描かせるのが主流。それを、アイコンに駒を置く事で推察させるというアイデアがよかった。駒を置くだけなのに、数を置いたり組み合わせたり、発想次第で様々なことが表現できる素晴らしいツールである。そして、ボードのデザインなどがシンプルなお陰で、大人同士でもクールに遊べる。

世の中にはブロガーが溢れ、若者は見た目に個性を出そうと一生懸命。人間には本質的に人と同じでありたいという欲求と人と異なっていたいという欲求が同居している。そして本当に人間は皆、本能的に表現や創作をし、認められたい生き物である。そうして時には優位性をアピールし、時には世界観を共有して友好を深める動物なのだ。COQもご多分に漏れず、出題者としてコンセプトを設定することに喜びを感じ、瞬時に答えられた時には心の繋がりを感じた。これはなんか、ゲームというよりもっと原始的な部分で楽しい行為であった。

何か共通の趣味がある友人と集まったら、自分達でお題を考えても良いかもしれない。たとえば映画好きなら「タイムライン映画編」をお題にするとかね。

お題のカードは絶対日本語ローカライズされているほうがオススメなので、購入するなら日本語版を。

購入先情報

コメント

  1. […] 2014年にドイツゲーム大賞にノミネートされて話題となった「コンセプト」。同デザイナーがこれをキッズゲームとして発表したのが「コンセプト キッズ」である。お題の内容を子供が知っている動物に限定し、本家コンセプトと同様に盤面のアイコンを使ってプレゼン&回答するゲームとなっている。全員が協力し、12枚出されるお題カードをなるべくたくさん正解することを目指す、協力ゲームである。 […]

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